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リハビリ記録その179

2017-10-1
山内正敏

 3ヶ月に及ぶ冷夏が終わって、1週間前からやっと秋の小春日和と雲海となっています。雲海は例年より1ヶ月遅れで、それが時に分厚くなって濃霧となり飛行機が欠航するほどです濃い雲海なっています。

 というわけでやっと絶好の歩行日和になったものの、風邪の蔓延(先ず介護、次に今週末は私自身)で、思ったほどには訓練が出来ていません。他に足首固定器を外して国道をあるいたら、横向きの傾きが酷く、足首を故障して、数日歩けなくなったりもしていて、歩行訓練では特筆することもありません。一方、プールの方は何故か絶好調で、10週間の夏休みブランクにもかかわらず、色々なメニューで過去最高の成功率となっていて、脚力の回復は実感しています。
 今月は他に特筆すべきイベントがありました。それは初の「旧西側」の外にあたるスロベニアに1週間出張したことです。場所はブレッド(おとぎ話に出てきそうな古城で有名な場所)で、泊まったホテル建物こそ身障者対応がしっかりしていたものの、他は歩行器には厳しい環境で、3年前のロードス以来の実質的な挑戦となりました。しかも、例年なら晴天が続く筈なのに、出張した週に限って雨ばかりで(雨が降らなかったのは1日だけで、カッパすら必要な雨が多かった)、そんな雨のなか、旧坂や段差、斜め勾配の道を使うのは、ホテルから会場までの200mですら難儀しました。
 たとえば会場となったグランドホテル内ですら、受付から会議室まで屋内を4段降り、10段登り、最後に3段降りるという、介護一人だけでは移動が出来ない構造にあっており、1日目は馬鹿正直にこのホテルの入り口に行くのに、マトモな歩道がなく(ホテルの一角が歩道をブロックして交通量の極めて多い狭い車道への段差も激しく、雷雨の中では使い物にならなかった)30分もかかったほどです。幸い、会場の裏口がレストランに繋がっていて、そのなかを「通過」すれば出入り出来る構造となっており、このホテルに一番近いホテルに泊まった私は(急すぎる勾配とかはあったものの)、結果的に一番アクセスが楽となって(介護とあわせて2部屋なので、高いホテルには泊まれない)、1日目夜からはなんとか、この近道を使っています。
 そんな「坂と湖」に囲まれた場所なので、キルナではあり得ないような坂に挑戦することも何度かありました。その中でも特筆すべきなの2つあります。一つは水曜日夕方に渡った湖内小島で、ボートへの移動はもちろんのこと、小島のてっぺん(教会がある)まで砂利道を歩行器で登り、この坂を降りるのは不可能とばかりに石の階段(70段)を座っておりたりしています。その翌日はもっとアドベンチャーで、ブレッド城(湖面から切り立った崖を120m登ったところにある)での会議ディナーに参加すべく大雨(一晩で、9月の平均降雨の半分が降った)のなかを急坂と階段(80段)昇降したことで、その時の写真と動画が こちら に格納してあります。水たまりを避けるすべも無く、翌日はサンダルで会議に臨んだ他、会議後、靴を乾かすのに、ドライヤーで1時間以上かかったりしています。この下りの際に始終歩行器を支えてくれた人は、ぬれた服をどうにかすることを諦めて、そのまま持って帰ったそうで、他に私の介護の携帯がこの大雨で壊れて(電源だけらしいので中身は生きているはずとのこと)、彼女の撮ってくれた写真は未だに手許にありません。入手次第、上記のフォールダーに入れます。
 スロベニアで大変だったのは、私の携帯が使えなかった(タッチパネルを使わない旧世代なので、インターネットを捜すという機能がついていない)ことで、しかも最終日は介護の携帯も故障で使えず、飛行機が離陸するまでは心細い思いをしました。ギリシャ・ロードスに行った際は問題なかったので、スロベビア(あるいはブレッド)の問題でしょう。「旧東」に行く際は今後も気をつける必要がありそうです。
 あと面食らったのがトイレで、便座の真ん中の穴が以上に大きく、身長176cmの私でも足を踏ん張ってやっと座れたほどで、子供だったらとても使えないのではないか、と疑問に思ったほどです。
 そういうわけで、今回のスロベニア行きはまさに「経験」でした。特に大雨の中の古城往復は、会議主催者すら全員が「会議の内容は忘れても、これは忘れられない」と口をそろえるほどの素晴らしい思い出となりました。

 最後に無駄話です。
 9月は太陽黒点活動の巨大黒点と巨大爆発が続けざまに発生し、オーロラが快調です。これは極大期の終わりに訪れる爆発活動のピーク(黒点数の極大から2〜3年後が普通で、前回は2003年、今回は1年前に終わった筈)とは恐らく別で、もしかすると前回は2006年末に起こった「最後っ屁」に相当するのかもしれませんが、こればかりは今後の変動を見ないとわかりません。というわけで、下手をすると何処かの国で停電さわぎがあるかもしれません。日本(本州)でオーロラが出るかどうかは、いつもどおり、全く予想のつかない話ではありますが。

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