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リハビリ記録その148

2015-3-1
山内正敏

 例年2月は強風の日が多いのですが、今年は特に酷く、20年ぶりぐらいの嵐(停電付き)が来たりして、折角気温が高いのに未だに初スキーに行けていません。

 年末の骨膜炎(benhinneinflammation、傷みからしてマイクロクラックまで行っていたと思う)のほうは無事に完治して、更に1月の申請書の余波で延期になっていた仕事の山も10日ほど前に片付いて、やっとマトモなリハビリ訓練のできる生活に戻ったのですが、いかんせん3ヶ月以上のブランクは大きく、歩行訓練でのスタミナや登り坂、松葉杖訓練での脚の力が十分に戻っていません。
 例えば松葉杖ですが、右足を使えなかった為に太腿の筋肉がいまいちで、2kmぐらいなら昨冬のベスト並みに歩けるものの、2.5kmで急速に脚が上がらなくなります。歩行も40分を超えると駄目で、スピードが全然出ません。でも短い時間なら結構な脚力が出せていて、例えば松葉杖をつかった階段訓練ではベスト並みに戻っているし、プール訓練もベストの状態にまで戻っています(というか、月平均すると2月は非常に良かった)から、あとは地道にリハビリ訓練を続けるしかないでしょう。
 まあ、4ヶ月のブランクからの回復ですから、はやり4ヶ月ぐらいかかると思います。そんなわけで5月下旬のハーフマラソンまでにどれだけ歩行スタミナが戻っているかは不安ですが、年々歩行距離が伸びていることを考えると(昨夏はとても良かった)、自己記録の更新ぐらいはできる筈だと楽観しています。この種の楽観は、日々の訓練を続ける上では非常に重要で、例えば故障しない程度に無理しないために焦りが禁物なことは常識ですが、それを裏付けるのが楽観的な見通しをもつことだろうからです。
 そちらは私の問題だから良いのですが、10日ほど前に新しい問題が起こりました。それは足首固定器です。3kmほど歩く途中で、ほんの数ヶ月前に新調した足首歩行器の付け根が、何の予兆もなくいきなり折れて、2km近くを左足だけ足首固定器なしで歩いて帰る羽目になってしまったのです。いわば、新調した自転車のフレームだと松葉杖だのがいきなり折れるのと同じようなことで、身障者補助具の担当者も首を傾げてしました。幸い、昨夏に足首固定器を外して歩く訓練を本格化した後だったので、雪道の歩き難い条件にもかかわらず無事帰宅しましたが、これが長距離歩行の際に起こったらと考えると非常に不安です。
 となれば原因を追究する必要があります。一体、今まで10年以上お世話になった補助具で、何度も替えていますが、ひびとか入ることはあっても、予兆なくいきなり折れることはなく、しかも今回の新調品の場合、1年いないにひびが入ることはありませんでした。となると製品の劣化の可能性(最悪のシナリオ)がまず頭に浮かびます。
 身障者関係の器具には、使用者数が特に少ないと、製造が独占していることがあり、それで製品が悪化する場合があります。例えば、カテーテル(膀胱ロウ式)を止めるテープは(スウェーデンでは)某国際企業の独占状態ですが、年々質が落ちていて、病院関係者も文句を言っているほどです。それと同じことが足首固定器で起こった可能性は否めません。
 しかし、今まで何度も古くなっては新調して来た足首固定器は、毎回質が良くなっているというのが私の感触で(恐らく競争社があるのだと思う)、質が悪化したためとは思えません。となるとたまたま不良品に出会ったのか、それとも私の方に問題があるのか(歩き方が激しくなったとか、変な転倒をしたとか)のどちらかです。
 そこで思い当たったのが、今冬に新調した冬靴です(昨年までのやつはさすがに古くなって廃棄)。靴を吟味すると、昨年の冬靴と違って、足首のところが硬く分厚くなっており、その位置が足首固定器の折れた個所と一致しています。更に折れた足首固定器のかわりに仕方なく取り出した古い奴も、ほんの数日で同じ場所にひびが入っています。となると原因は9割がた靴との相性でしょう。足首固定器の取り扱い書にも担当者の説明にも靴との相性など全くありませんが、それは私のように沢山歩く人が少なく十分なサンプルが取れないからに違いなく、こればっかりは経験を積んで、私の方から靴との相性の問題を担当者等に伝えていくしかないようです。
 ともかくも靴が悪いということは分かったので、即座に捨てました。今は非常に古い靴で凌いでいます。私の幅広足に合い、滑り難く、かつ足首固定器に無理の来ない冬靴は見つけることすら大変なので、来シーズンまでは無理かもしれません。

 最後に例によって無駄話です。
 フランスの週刊誌社襲撃事件に続けて、デンマークでも発砲テロがありましたが、キルナに冬期出稼ぎに来ている知り合いの生活圏ど真ん中だったそうで、出稼ぎに来ていなかったら巻込まれていたかも知れなかったそうです。全然遠くない話でした。完全な個人レベルのテロで、とうとう日本の通り魔殺人並みに危険に時代になったのかな、という気がします。まあ、キルナは大丈夫でしょうが、
 閑話休題。先週末から今週末にかけて、ノルディックスキー(ジャンプを含む)の世界選手権が開かれていてスウェーデン人はスキーにしか注目していないのですが、悪天候の為に色々な波乱がありました。一番の波乱は火曜の女子10キロで、スタート直後から大雪が降り始めて、スタート順の先の人(ランキングの低い人)が上位でゴールすると言う大波乱があって、1位スウェーデンの次に2位も3位もアメリカ人が入っています(初めて)。今日の50キロ(陸上のマラソン並みの花)も大雪で先頭がラッセル状態だったので、ついて行くのがやっとだったノルーウェー人(何度も離されかけた)が最後に優勝をかっさらい、スキー交換のタイミングを唯一間違えなかった38歳の超ベテランが2位に入っています。でも、終始先頭でラッセルしてくれたスウェーデン人が3位だったのは、喜ぶべきなのか悔しがるべきかのか(スキー交換のタイミングが正しければ金だったと思うし、雪が降っていなかったら大差で金だった気がするので)、マスコミも困惑しているようです。

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