2015-4-4
山内正敏
2月に続いて3月前半も強風の日が多くスキーどころではありませんでしたが、後半は少しマシになって一応5回滑っています。とはいえ、スキー場を使う日に限って大会とかでスキー用溝が無く、2日前にやっと溝の上をマトモに滑りましたが、練習不足のせいか、かなり悪いタイムしか出ていません。
スキー以外の訓練も、年末の足の怪我による練習不足や、雪道の悪さによる歩行不足で、未だにスピード・スタミナともに十分には回復していません(徐々に戻ってはいるけれど)。訓練の空白期間の穴埋めは、年齢と共に時間がかかるようになっているみたいです。それでも2月よりは松葉杖、自転車共に少し記録が戻っているので、秋までには完全に復調するでしょう。それから、1ヶ月半後のハーフマラソンも、昨年が悪過ぎたので記録更新は狙えると思います。
ただ気になることもあって、それは右膝関節炎です。中学の時に傷めて以来、時々、関節炎気味になるのですが、その時と同じ悪い感触をここ半月ほど感じるからです。もしかすると、足首の怪我で練習不足になって衰えた筋力の分を、立ち上がり訓練などの膝への負荷の大きな動きの際に、膝関節が機械的に筋肉不足分をカバーしている可能性があります。そんな訳で、プールでの立ち上がり訓練等、膝に無理が来かねない訓練で、若干負荷を落としています。これ以上の故障は嫌ですので。
関節炎の兆候以外にもぞっとする事がありました。それは住んでいるアパートのボヤ騒ぎです。
3月26日未明、夜中に目を覚ますと、完全に真っ暗で、しかも変な匂いがします。その割に騒ぎはなく、救急車両の音等もしなかったので、「辺り一帯が停電になったのだろう」、「誰かが変な時間に料理でもしているのかな」、と寝ぼけたまま、再び寝入ってしまったのですが(でもうつらうつらで熟睡ではなかったと思う)、朝起きてみると、停電は解決していないし、焦げた匂いも残っています。郵便受けを見るとビラが入っていて、そこには「未明に建物の電源系が火事となって、現在、仮復旧にあと半日かかる」と書いてありました。
その後、研究所に行く際に(エレベーターが使えないので階段を座って降りた)、ビニールの焦げた匂いが酷く、携帯換気扇も前開で、どうやら本格的な火事になる一歩手前だった様です。そのため、来週には換気穴の掃除も予定されています。
私の住んでいるアパートは、身障者が数多く入居していて(身障者向けのアパート自体がキルナには少ない)、本当に火事になったら、その救出が大変な訳ですが、ボヤ当時、その手の避難騒ぎはなく、サイレンも鳴りませんでした。しかも緊急時に介護を呼び出すための呼び出し用電話も停電で壊れていて、よくよく考えると恐ろしい話ですが、正直なところ、その怖さを未だに実感できていません。折角目が覚めたのに、結局は寝てしまったというのがあるからかも知れません。火事での二度寝なんて、身障者であるなしは関係ないでしょう。結局の所「電気社会は怖い」ということを再認識した程度です。
こんな具合なので火事のほうはあまり気にしていないのですが、1週間後に迫った出張の方は無理が祟らないか不安になっています。というのも、1月に提案した大型ミッションの1回目の山(欧州宇宙機関からの質問やインタビュー)が欧州地球科学総会(発表4件)に完全に重なったからです。10日に質問が出され、11日に総会に向けて出発(接続の関係でストックホルムに一泊)、会議中に15日までに解答、17日に福島セッションの世話人、18日に12時間かけてキルナ帰着(インタビュー用の30分スライド準備のため)、19日に出発(またもストックホルム1泊)、20日にオランダ到着、21日インタビューのあとそのままストックホルムに飛び(その日に帰り着かない)、22日にキルナに戻るという、健康時でもやりたくないスケジュールで、帰り着いたら風邪を引いて寝込む気がします(というか寝込めるのならマシかも)。キルナは身障者にとってはちょっと出張での不利が大き過ぎるようです。
最後に例によって無駄話です。
米国の研究所に勤める親しい同業者が「30年働いたから」と昨日づけで引退して、フロリダに移住することになりました。スペース物理そのものからも完全に引退するそうで、日本人にはなかなか出来ない英断に感心しています。私も昔は「50歳台引退=SFを書く」などと思っていましたが、61歳に伸び、63歳に伸び、今は、おそらく65歳だろうという気がします。もしも私が提案している大型ミッションが通ると67歳まで引退できません。いったい何時になったらSFが書けるやら。