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リハビリ記録その96

2010-11-14
山内正敏

 ここ10年程なかった大量の雪@11月上旬で、本格的な冬になっています。私の方は発病から9年となり、記録(上記アドレス)を更新しました。ここ1年の主な進展は以下の通りです。

1. 階段(膝バンド無し):
 前回の日本帰国(2年半前)を機に始めた階段訓練は、一昨年は手すり+補助の肩にすがっていたのが、昨年は手すり+松葉杖での昇降となり、今年はついに手すりだけ(だから横向きになる)で自力で昇降するようになりました。今の所は病院(手すりの材質や高さから階段の段差に至るまで理想的)で補助に支えて貰いながらの訓練だけですが、来年までには他の場所でも挑戦しようと思います。

2. 松葉杖(膝バンド無し):
 一昨年、3点確保で始めたこの訓練は、去年は各ステップで踏み出す足と反対側の杖を上げたままで歩を進める『交互杖』に進みましたが、今年は片方の杖を完全に上げっぱなしで歩く『片杖』に進展しています。更に、両杖を持ち上げると同時に踏み出して着地まで杖を上げたままの、事実上の自力歩行もつい最近挑戦し始めました。これはまだぎこちないですが来年にはもっとスムーズに出来るようになると思います。

3. 平行棒:
 一昨年に始めた膝バンド無しでの手放し歩行訓練は、昨年は後ろ向きや横向きでの訓練に広がったものの、それでも腰を時々平行棒で支える歩き方でした。それがつい最近、10回に1回ぐらいの頻度で、平行棒に全く接触せずに10メートルほど歩けるようになりました。松葉杖の件と合わせて、自力歩行までもう一息と言えます。

4. プール:
 四つん這いから立ち上がる訓練で、水深65cmから膝に手を当てて立ち上がっていたのが一昨年、それがそのまま立ち上がるようになったのが昨年で、今年は水深50cmから勢いを付けて立ち上がるようになっています。

5. 歩行器:
 歩行器で歩く速度が着実に上がると共に、次第に難しい坂(例えば雪で高さ50センチ程ブロックされた道など)を歩けるようになっています。例えば研究所から自宅まで(8km)ですが、一昨年1時間41分、去年はやや遠回り(8.4km)で1時間39分だったのが、今年は遠回りが1時間33分になっています。また、床から歩行器に立ち上がるのも、3年前に介護の手伝いで初めて出来るようになったのが、今年は完全に自力で出来るようになりました(但し『良い床』でないと無理だけど)。

6. 手指:
 ここ数年は身障者用の箸で出来る範囲(料理中にスライス肉を剥がしたりとか卵焼きの手伝いとか)が少しずつ増えて、ハンバーグをひっくりかえしたりとかも出来るようになりましたが、他に両手を使って(親指を中に入れた)拳骨を作る事が出来るようになりました。毎日の柔軟運動は今でも着実に効果を上げている様です。

7. 上肢のサイズ:
 脚力の向上は太腿の筋肉の量にも反映していて、例えば足の付け根のサイズだと一昨年52センチ、昨年54センチで、今年が56センチです。もっとも、ここ2年程確かに見た目に筋肉が着き始めている膝の直ぐ上(一番細い所)は35センチで変わりません。

8. トイレ:
 生活や旅行の上で一番のネックであるトイレ(大)の方も改善が続き、昨年初めて身障者トイレの一部で自力でズボン類の脱着が出来たのに続いて、今年は全ての身障者トイレ(相当にデザインの悪い奴を含む)でも出来るようになった他、トイレが十分に高ければ手すりが無くても歩行器だけで同様にバランスが取れるようになって、行き先やホテルの選択肢が大きく広がっています。

 このようにこの歳になっても、発病からこれだけの時間が経ってもリハビリの効果は上がる訳で、来年(10年)の記録が出来たらさすがに何処かの医学雑誌にまとめを投稿したいと思います。私の専門の論文よりは多くの読者を得るような気がします。

 最後に例によって無駄話です。
 私の専門はデータ解析ですので、専門の宇宙空間プラズマ以外でもデータ全般に興味があって、子供の頃は社会統計関係のグラフ類を飽きずに眺めていたものです。今ではスウェーデンと日本と他の国の違いを示した社会統計は好きで、その結果、社会実情データ図録 という優れたサイトにたどり着いて4年程になります。サイトは査定論生ではありませんから、かなり独自の視点による項目(変数)の選択とかしていますが、データは出所がしっかりしていて真面目な議論に耐える内容で、それで私もコメントを時々サイト管理人に出しています。
 そのサイトから最近、図表を選択して本が出されました。スウェーデンにいるのでまだ手許にはありませんが、ネット上の内容からして、興味のある人には買っても良い内容だろうと思います。
 ちなみに最近のエントリーで私の興味を引いたのは公務員数の国際比較税経済の国際比較 で、日本ほど小さな政府で公務員数が少ない国は先進国には殆ど無い事が人目で分かります。こういう風土の日本がいきなりスウェーデン型社会を目指すのは難しい気がします。

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