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リハビリ記録その63

2008-2-3
山内正敏

 暗い冬が終わったと云う気分になります。今日も、例によって6キロコースを歩いたら、薄曇りにもかかわらず非常に多くの人が散歩をしていました。11〜1月では考えられません。

 その6キロコースですが、12月はおろか、1月も週末に限って猛風や大雪となって、先週やっと7週間ぶりに歩いたところです。さすがに筋肉がなまっていて、除雪されていたのもかかわらず土曜は1時間33分もかかってしまいました。雪の無い時のベスト(1時間12分)よりも20分以上も遅いばかりか、昨冬のベストよりも1分遅くて(最低5分は速くなっていなければならない)、距離練習の空白を痛感しました。悔しいので翌日曜も歩き(1時間29分)、大雪の昨日を挟んで今日も歩いて来て(前半が除雪が悪くて時間がかかったけど後半がマトモだった)、呼吸がマラソン的な感じになって少し距離歩行の感覚が戻って来ました。
 距離歩行は膝バンド付きの完全装備ですが、買い物などでは概ね膝バンド無しが普通になっていて(ここが昨年と違う)、昨晩などは、夜のパーティ(学生の一人が博士試験を終えたので、そのお祝い)まで往復それぞれ40分程歩いたばかりか、集合場所からボーリング会場まで往復歩いて、ついでにボーリングまでして(ただし自分で玉を持つ事が出来ないので、玉発射の器械を使ってゲーム感覚で参加するだけですが)、トータルで3時間程歩行器(膝バンド無し)で歩き回っていた程です。4月に雪が融け次第、6キロコースにも膝バンド無しで挑戦しようと思います。
 天気の悪いときは病院廊下での松葉杖訓練が主流ですが、お陰で腰の安定性が増して、先日は体操療養師に腰を支えて貰いつつ、両杖を持ち上げて後ろ向きに歩きました。まだ10歩20歩のレベルですが、そのうち10m単位で歩けるようになるでしょう。同様の後ろ向き訓練は実は平行棒で3ヶ月前から始めていますが、こっちの方はかなり安定性が増して、数回に1回は手で支える事なく片道5メートル程を後退しきっています。
 プールでは、ここ半年程力を入れている、階段3段目(水深65cm)で膝に手を当ててバランス/立ち上がる訓練 (動画参照) が進展して、ほぼ確実に15秒静止が出来るばかりか、一昨日なぞは20秒以上静止が10回連続出来ました。同様の(膝に両手を当てての)バランス静止は水の中だけでなくても出来るようになって、足首と膝と腰の総合的なバランスが昨年より遥かに良くなっているのを実感します。あと、12月のリフト故障に伴って始めた、リフトを使わない出入り(階段も使わない、いわゆる裏技)は、リフトが直ったあとも当然ながら続けていてます。始めは若干おっかなびっくりだった私もすっかり慣れて、今ではそれがすっかり当たり前になりました。

 脚力以外では、4年前から問題になっている尿結石ですが、始めの1年は増える一方だったものの、その後は完全に季節変化していて、食生活などに無関係に夏だけに大量に出て冬は全然出ないという繰り返しが続いています。本質的に悪化していない事だけは確かで、その点は安心出来るのですが、原因不明と云うのは気持悪い。泌尿器関係の看護師に聞いても頭をひねるばかりで、病気(又は血液製剤使用?)に伴う体質の変化と云うのは、本当に分からない事だらけです。
 あと、顎の筋肉の回復に伴って歯ぎしりが激しくなった問題(その為に、2年前に上の奥歯が割れた)は更に深刻になって、病気で手の届かなくなったブリッジの根元が虫歯になった時(まだ自力で歯磨き出来なかった3年前の話)に新しく作ったブリッジが1年前に割れて、歯ぎしりごときでブリッジが割れるものかと思いながらもブリッジを作り直し、その時、歯ぎしりの弊害を減らすべく、マウスピース(夜間に歯を保護する型)を作って使用していたのですが、それでもブリッジが再び割れて(5ヶ月前)、現在、3度目の正直のブリッジを作成中です。今後、どこまで歯ぎしりが酷くなるか気持の悪い話ですが、これが病気と関係あるのか、或いは単純に加齢のせいなのかは分かりません。
 指の方はナイフを使う機会を少しずつ増やしていて、先日はカミソリで糸を切る練習をしてました。なかなか難しいものです。あと、ヤッケのファスナーを上げる事(下ろす方は出来る)を何度か試みていますが、まだ一度も成功していません。一方、2年半前に使い始めた身障者向けの箸の方は、いまでは料理にも使うようになっていて、煮てくっついた薄切り肉を一枚ずつ剥がしたりしています。

 さて、今年の旅行ですが、先ず、5月4〜9日にオーストリア(グラーツ)の国際学会に行く事が確定しました。グラーツはスペース物理の分野の日本人研究者がいるという、極めて珍しい処(ヨーロッパでパーマネント職の同業日本人がいるのはキルナとグラーツだけ)で、その当人が主催する会議とあっては、逃す手はありません。あと、6月当たりにストックホルムに行くと思いますが、こちらは未確定です。
 一方、昨年から2度も延期になっている日本帰省 (前回は2005年10月) ですが、3月をメドに可能性を模索しています。5月の出張に近いとか、4月が予算申請の季節で余裕がないとか、とにかく日程的にきついので、普通なら10〜11月に延期するのですが(尿管穴化膿+結石の関係で夏6〜9月に日本に行くのは不可能)、10〜11月に用事が出来て行けなくなる可能性が結構あって(昨年はそうだった)、可能な限り3月と云う線で話を進め、飛行機の仮予約まではしています。ただ、ここに来て連れて行くべき介護の健康問題が起こって、EUの労働時間規制問題とも合わせて、そっちの理由で結局3月を断念するかも知れません。
 何度も書いているEUの労働時間規制問題ですが、これによると、毎日11時間連続の休みを入れなければならない訳で、それはキルナ発日本行き(朝5時から翌日午後3時まで(東京大阪名古屋の場合)、最悪午後6時まで(前回の宮崎)休むべき場所が無い)では不可能です。 不可能を指摘したメール を1年以上前に全政党とキルナ市に出しているのですが、政党からの返事のうち唯一この問題に言及さたものは
『キルナ市とキルナ市労働組合が妥当な特例を労働協約として結ぶ事を祈る』
で、肝心のキルナ市はこの問題を1年以上もほったらかして、今になってやっと相談する(2月11日の予定)との話です。もしも労働協約が無いのであれば、唯一の方法は、介護に『友人』としてヘルシンキー日本の間の何処か11時間(飛行時間は10時間以下なので搭乗の段階から)だけ『給料無し』で世話をして貰う事ですが(日本での介護は、日本に『たまたま』行っていたのでせっかくだから介護してもらうという形になる)、労働条件の規則を守る事で煩いスウェーデンで、正式な雇用者にこういう裏技をやって良いのか不明であり、これが不可能となると、臨時の非正規の人間を連れて行くしか手立てがなくなります。
 そもそも、介護の分の旅費(30〜35万円)を全部私が出さなければならない個人旅行に、それでも介護をキルナから連れて行くのは、5年前の全然動けなかったときから世話してくれたお礼という意味もある訳で(該当するのは現在1人だけ)、今回に限っては他の人を連れて行く訳には行きません。
 労働時間以上に問題なのが介護の健康です。連れて行くべき介護は3年程前から足などの骨に問題が起こっていて、特に昨年春は、もしも私以外の介護をやっていたら病気休業せざるを得ない程に悪化して、私ともう一人の介護が何度も病気休業を勧めた程(本人はウンと云わず、しかも夏以降小康状態)でしたが、ここにきて背中まで傷み出して、今週はとうとう1週間休んでしまいました。そもそも、体の具合の悪い人間が、それでも出来る仕事を続けるというワーキングシェアは、ある意味理想的(現在の私もまさにそう)なので、仕事を続けると言い張る彼女に(私の知る限りスウェーデン女性は頑固な人が多い)、それならと出来るだけ配慮した勤務計画(彼女が歩く距離が最小になる時間帯を当てる)を立てていたのですが、1週間も休む程に問題が出て来るとなると、話は簡単ではなくなり、少なくとも10時間の飛行機に耐えられるとはとても思えません。
 そんな訳で、既に2月だと云うのに3月の日本行きは黄信号のままです。ちなみに、5月の学会には1年半前に加わった介護を連れて行く予定で(一人目は昨年フランス出張に連れて行った)、この介護はなんと過去にパスポートを持った事が無いそうです。こっちの旅費は私の研究費から出します。まあ、研究費の申請の際にも介護の旅費の問題を書いているので、正しい使い方とは云えます。
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