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リハビリ記録その43

2006-6-11
山内正敏

 立て続けの大きな仕事が一段落つき、合唱の発表会も3日前に無事に終え、しかも同僚は三々五々で夏休みに入っているので、こっちも気分は半分夏休みです。新緑もようやく出始めて、外を歩くのが気持良い季節ですが、問題は花粉症で、今年は例年になく花粉が多く、目をまっ赤にして1ヶ月近く経っています。幸い、リハビリにはあまり影響が出ていませんが。

 夏にしか出来ないリハビリと言えば三輪自転車で、早速練習しております。5月中は乗り始めゆえに昨年のベストを再現する程度でしたが、6月に入って記録を更新しはじめ、今朝は坂ばかりの周回コース(2キロ余りで平地は2割以下)を4周8.5km57分で漕いでおります。昨年のベストは同じコースで3周が50分余りだったと思います。。もちろん、昨年の記録をあっさり更新するのは当然で、寧ろ、疲れている日(昨日とか)に昨年6月程度のタイムしか出ないほうが問題で、先はまだまだ長いようですが。
 歩行の方は、前回書いた膝の問題がますます顕著になってきたので、長い距離は控えていますが、それでも、膝がまだなんとか誤摩化せる時に、4月末と同じ7キロ余りのコースを歩行器(+不十分な膝バンド)で歩いて、始めの6キロを1時間45分(前回は1時間53分)で歩いております。もしも完全な平地なら時速4キロで1時間以上歩けるでしょう。
 膝の問題の元凶となった膝バンドですが、やっと新しいバンドが届いたものの、全く調整されていないので使いものになりません。さすがに業を煮やして、一昨日、再び医者に会って、その医者から、120キロ南のエリバレの病院(の専門科)に「診察要求」を書いて貰いました。これを受けて、エリバレから出頭要求が来て(下手すると夏休みの後)、晴れてバンドの調整(5分仕事)が出来ることになります。このプロセスの遅さには、私の担当の体操療養師も閉口していて、古いバンドと見比べながら明日にでも自己流で膝バンドを調整しようという話にはなっていますが。
 そんな訳で、せっかくの年に一度のリハビリ日和(雪解けが終え、かつ蚊の出て来る前の、約1ヶ月半)だと言うのに、松葉杖訓練を断念している状態です。でも、それでリハビリを諦める筈が無く、代わりに、肘で支える歩行器(1年前までお世話になった奴)を使って、それに半分もたれるようにして膝を庇いながら、膝バンド無しで歩く訓練を始めています。松葉杖でしか出来ない腰のバランス訓練こそ出来ませんが(腰のバランスは、朝の床運動でカバー)、膝の訓練には非常に良いようです。少しずつ距離を延ばして、10日前には近くのコンビニまで、数日前には大きなスーパー(坂道の片道1キロ)まで買い物に行って来ました。往復で1時間40分もかかりましたが、昨年まで平地300mしか歩けなかった事を考えると、これは大きな進展です。太ももの筋肉が異常に疲れたのは言うまでもありませんが、同時に腕と言うか肩の筋肉も非常に疲れて、翌日まで疲れが残っています。
 プールは、 階段4段目(水深50cm)での屈伸 が最大20回、最低でも10回以上出来るようになって、着実な回復をみせているほか、階段3段目(水深65cm)で手放しで横を向く事が少しだけ出来るようになっています。また、プール前後の着替えの際も、かなりの部分を自力で洗う(こする)事が出来るようになっています。
 リハビリ以外では、合唱の発表会が大きなイベントで、今までは車椅子で行って、歌う時だけ電動式の肘歩行器を使っていましたが、今回は普通の低い歩行器で会場に行って、その歩行器を使って立って歌いました。会場はキルナ郊外(約20キロだけど、車で20分)の極めて古い村の教会で、教会の創立400年の式典の翌々日にその教会を借りた訳です。昨年までに比べて腹筋を感じるようになって、その分(もともとでかい声が)更に大きくなったような気がしますが、きっと合唱のバランスは崩していないでしょう。そのうちmpgをアップします。
 
 さて、先日お知らせした、日本のリハビリ制度改悪(厚生労働省が4月1日からリハビリ期間に半年という上限を設定した事)の話の続きですが、さすがに、それに反対する 署名サイト が出来ましたので、協力して頂ければ幸いです。
 私の経験から、回復が殆ど見られない部位でも、リハビリを怠ると1ヶ月で悪化しますが、サイトの情報を見る限り、これはギランバレーに限らないようです。という事は、4月1日の改訂の理由になった「リハビリの効果が見えない」という報告が、実は非科学的(対照実験なし)なものである事を意味します。そんな非科学的な報告のみを受けて、性急に改悪する厚生労働省という所は、私には全く理解出来ません。

 最後に軽い話題です。
 キルナでは今年はミミズが大発生して、雨の日には道路で結構車に轢かれています。キルナに来て始めての事なので、少々驚きました。
 実は、もともとキルナにミミズはおらず、実際、キルナに来てはじめの十年ほどはミミズを全く見掛けませんでした。ところへ、残飯から良質の土を作る「環境に良い」性質が買われて、十年前ほどからミミズに残飯処理をさせる家が現れました。ミミズは車庫で飼うのが普通ですから、逃げ出すのも出てきます。そのうちの一部が冬を生き延びるようになったようです。特に街の中心部の高台は、街の中がヒートアイランドで暖かくなる効果に加え、真冬の一番寒い日に限って逆転層(谷の底ほど冷える)の効果で、あまり温度が下がらない(せいぜいマイナス20度)訳で、それに家の暖房の余熱などの条件が加わって、街中だけがミミズの生き延びられる環境になったのでしょう。ともかく、この1〜2年、数匹見掛けるようになり、今年とうとう街中だけの大発生になりました。道路を歩くと、街に近い程(冬が暖かそうな所程)ミミズが多く、ちょっと低い所にいくと1匹もいません。
 この事実は、取りも直さず、ミミズが生息範囲を急拡大し始めている現場に居合わせている事を意味し、同時にミミズ型土壌が急形成されつつある事を意味します。これは生態学や農学の研究者には最高の実験場ではないでしょうか? 個人的には、ミミズの拡散速度や、極めて大量のミミズの死骸が残っている事実にも興味があります。ミミズ分布の勾配が急だから大量に移動するのか、それとも単に鳥や蟻(キルナにはいない)が食べないだけなのか? そもそもミミズはどうやってミミズのいない所を見つけるのか? どなたか調べてみませんか?
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