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リハビリ記録その26

2005-1-08 山内正敏

 年末に風邪をうつされて、新年は何も出来ず、津波の記事ばかりを追っておりました。今日、ようやく少し回復して、久々に歩行器で30分程外に出ました。
 今冬は風邪が10月から蔓延しています。おそらく夏の天気が影響していると思います。というのも、昨夏のスウェーデンは歴史的大雨長雨の夏で、あちこちで洪水があったのですが(キルナも例外ではなく、川沿いの別荘は尽く水に浸かっていました)、それで、キルナの連中は尽く日照不足に陥ったようで、日照不足=免疫の低下ですから、それで風邪を引きやすくなっているようです。
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 そんな訳で、私の介護は全員が10月からかグズグズやっています。風邪は私の介護だけではありません。おかげで市の介護全体のやり繰りがつかず、こっちの生活にまで影響しています。今年だからこそ、介護無しの時間があっても平気になりましたが、2年前の退院直後だったら大変だったと思います。その点は運が良いのですが、やはりこうも毎週毎週誰かに休まれると、その度に私の行動予定を変更せざるを得なくなって、生活の効率が悪くなるります。例えば研究所(家から8キロ離れている)に遅くまで残れない(どうしてもやりたい事があるにもかかわらず)とかします。でも、とりあえず、リハビリは綱渡りのようになんとか介護を確保し、一番の難関である年末年始もなんとか乗り切ったので、今のところ満足してます。

 生活と言えば、今秋から身障者対応の市バスが数台走るようになったので、先日は初めて歩行器のままで市バスに乗ってみました。これだと遠くまで歩行器で行けるし(今までは遠方は車椅子+タクシーだった)、リハビリの訓練にも良いので、今後も大いに利用しようと思います。もっとも、車椅子や歩行器の人でバスを使っている姿は見かけず、代わりに乳母車をしょっちゅう見かけます。乳母車対応の付け足しとしての車椅子対応なのかも知れません。但し、宣伝上は身障者対応とやったほうが外聞が良いらしく、キルナ市はそっちのほうを宣伝しています。
 身障者対応への切り替えの為に市が費やした費用はほぼゼロの筈です(身障者カードの読み取り装置を設置したぐらいかな)。制度としてわざわざ切り替えたのでは無く、市バスの運用権の競争入札制度で、車椅子対応のバスを持つ会社が有利だからそうなっている様です。キルナにはいくつかバス会社がありますが、そのうちの一つが一昨年から新しいバスへの切り替えの際に身障者対応を選ぶようにしていたらしく、4台そろったところで昨年の更新で市バス運行権を得た訳です。車椅子対応は4台だけですから、路線や時刻によっては普通のバスが走っていますが、そもそも身障者や乳母車の人はラッシュ時にはバスに乗りませんから、あまり問題にはなりません。ちなみに私の友人の住むアメリカのある都市では、条例で車椅子対応を決めた為、現役のバスすら走れなくなって大きな費用がかかったとの事でした。これと比べて、今回の車椅子・歩行器・乳母車対応は、民間活用の好例だと思って感心しました。

 回復の方は順調で、室内用自転車やジムでの脚力/腕力訓練で着実に負荷を増やしています。プールでは ? 階段の最上段 (水深 3cm)まで上がれるようになりました。これは脚力と言うより腕力や手首の力の回復によります。現に、室内用歩行器では上腕全体で体を支えて両足を浮かす事が出来ます。ただ、プール訓練の目的は腕力でなく脚力なので、昇降訓練は4段目(水深 50cm)と5段目(水深 35cm)の間でやっています。それでも先月より一段上がっており、脚力も良くなっている事が確認出来ます。片手での静止も 階段4段目 に上がり(今まで3段目)、また先月始めた四つん這い訓練は、 階段3段目 での足の屈伸が楽に出来るようになりました。
 松葉杖は11月の転倒以来、路面の状況が気になるようになって、あまり外は歩いていません。というのもクリスマス直前まで雪が少なく、しかも極夜で暗くて、とても安心して松葉杖(の雪刺)を使える状態ではなかったからです。クリスマス以来雪が良く降っているので(一週間で 1m の積雪)、練習を再開したら、今度は風邪でお休み。来週から本格的に再開します。低い(新しい)歩行器のほうは、 ? 病院まで往復 したり 2% 程度の坂を歩いたり出来るようにはなりましたが、問題は車輪で、雪をどんどん集めてしまいます。調べてみたら室内用との事で、現在、屋外用に替えてもらうべく話を進めています。一方、今までの (高い)歩行器 の方は一応屋外用ですが、これも深雪には弱く、さらに凸凹道で不安定なので、夏にくらべるとかなりゆっくりと、要所要所は介護に支えてもらって歩くようにしています。さすがに転倒はこりごりですから。ただし、ゆっくりでもしっかり自力でバランスを取りながら歩いているので、それはそれで夏とは違う良い訓練になっています。
 歩行器と言えば、合唱の発表会では一度も座らずに一時間半立ちっ放しで参加しました。今回も前回同様、他のグループとの合同で、正味で歌ったのは精々30分だったので、他のグループが歌っている時は他の団員同様に座っても良かったのですが、ステージの狭さの関係で諦めました。そういう訳で、喉よりも足の方が疲れております(リハーサルでも立ちっ放しだったから)。合唱の様子を含め、12月前半にビデオの記録を撮ったのですが、冬休みにもかかわらず、諸般の事情で 合唱 以外は殆どアップできていません。暇な時にアップする予定です。

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 その、諸般の事情のうちの1つは、日本語の記事執筆で、スウェーデン大使館が年に一回発行する雑誌が、今回キルナを取り上げたので、そこに出て来る地球科学関連の原稿の内容をチェックしていたら、いつのまにか8割がた書き直していたという訳です。実質一週間で8本かそのくらい。こんな事なら、はじめから全部書いておいた方が良かったかななどと思いました。もっとも、うち2本は始めから書いたものですが。
 2つ目の事情は省略して、最後の事情が、御存じ史上最悪の津波災害です。この災害については書く事が沢山あるので、残りは このページ をどうぞ。

 全ての犠牲者の冥福を祈ると共に、被災者全員にお見舞い及びお悔みの言葉を述べたいと思います。

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