2017-12-3
山内正敏
普通に寒い師走となりました。
その第一日曜と言えば福岡マラソンですが、ノルーウェー人が非アフリカ出身としては世界初の2時間5分台を出し(世界歴代トップ3は今回の2:05:48, ブラジル人の1998年の2:06:05, 日本の高岡寿成の2002年の2:06:16)、さすが距離スキーが国技だと納得しております。スキーチームの連中がマラソンに転向したら、世界記録も夢ではないと思うのですが、ノルウェーのマスコミすらサッカーや距離スキーをより大きく取り扱っており、ちょっと可哀想な気がします。
前回簡単に触れましたが、昨年から今年にかけては、ここ数年の停滞が嘘のように記録が出ています。11月も変わらず、松葉杖の距離歩行(屋内)で記録を出しております。
病院廊下を何往復もする訓練は、毎年冬の恒例ですが、外を歩くのと勝手が違うので、シーズンの冒頭というのはあまり記録更新ができないのが普通です。なのに、今冬は2度目に既にベスト近くで歩き、3度目は30往復=5.1km(昨シーズンの最長=5月)でのベストを4分縮めると同時に、ラップだけでも過去の短い距離の記録を超えて、予想を大きく上回る成果が出ています。ベルギー出張から帰ってきた疲れが残る今週末も、前半こそ疲労を感じてゆっくり目だったものの、後半にペースが上がって、結果的には先週より少しだけ劣るものの、5月の記録を1分以上も上回り、底力が上がっているのを感じました。
病院廊下の松葉杖記録(往復320m)
2013年 2月: 10往復 69分
2014年 2月: 10往復 65分
2014年12月: 10往復 59分
2016年 3月: 10往復 62分
(往復170m=2往復で340m)
2017年 4月: 20往復 65分
2017年 5月: 30往復102分
2017年11月: 30往復 98分
本日 30往復101分
タイムが上がっただけではありません。足首固定器のバンドを締める際に、昨年ほどきっちり締めず、やや余裕のある締め方で歩いており、それを勘案すると記録以上に松葉杖歩行が楽になっていることになります。その最大の理由は、腹筋がしっかりしてきて、足が最後まで上がるようになった事にあるようです。今までは15〜20往復前後で足をあげるための筋肉が悲鳴をあげ、これ以上続けたら、足が上がりきれずにつまづいてしまいそうだと感じて止めていましたが、今では30往復歩いても問題ありません。代わりに大腿の筋肉が疲れて限界を感ずるようになって30往復を迎えるようになっています。これは、夏の間に足首固定器を外しての距離歩行を繰り返した直接の成果でしょう。なので、同様の好調はプールでも続いています。
足首歩行器を外しての歩行は、出張先でも行なうようになりました。11月は6〜8日(オランダ)と27日〜12月1日(ベルギー)の2度出張しましたが、飛行機・汽車での移動こそ足首歩行器を使ったものの(タラップや出入り口など段差の上り下りが多いから)、出張先では足首歩行器を外して過ごしました。歩行器の種類が違う(旅行では携帯用のやや不安定な歩行器を使う)にもかかわらず、歩行自体に問題はなく、お陰で足に異物を感じない状態で出張先での仕事を済ませることが出来ています。ちなみにベルギーの海岸都市オーステンデ(oostende)では11月30日昼に暴風の中を足首固定器なしで歩きました(幅10mの道路を渡るのに2分かかった)。以前では足首固定器なしには絶対に無理でした。
好調が続くもう一つの理由が、体重を1割(6-7kg)ほど落としたことです。プールの訓練では、あとわずかの力が足りなくて膝や腰を伸ばせないことが多く、「筋肉への負荷があと3kgでも5kgでも軽ければ成功するのに」と思うことが昨年まで数多くありました。それでも、脚力のためにも負荷は重い方がよいと思って、体重が加齢とともに増えるのに任せていましたが、それが故に記録の停滞が何年続くのは本末転倒なので、半年以上かけて10年前の体重(その大部分は腰から上)に戻すことにしたわけです。それでも、同じ身長のマラソン選手よりは重い訳で(彼らの方が筋肉量は明らかに多い)、痩せている訳ではありませんが、負荷感は全然違います。ダイエットに時間をかけたのは、以前、夏の2ヶ月だけで急にダイエットして、その反動を風邪を引きやすい冬を過ごしたことがあったからで、お陰で無事に風邪をあまり引かずに冬を迎えています。
さて出張の方ですが、ベルギーの汽車は相変わらず身障者には不便で、しかも今回は全くの新人介護(高校3年生で8月に18歳になったばかり)という、この手の事に慣れていないこともあって昇降にかなり苦労しましたが、なんとか無事に全てをこなしています。あと、ベルギーでは空港発着の汽車ですら荷物置き場が無い(北欧の汽車と大違い)のも困りものです。幸い、今回はどの列車も座席に余裕があり、結果的には快適に移動出来ています。それでも汽車+飛行機で片道11〜12時間というのは余りに遠く、週末はその回復にあてざるを得ません。まあ、これは身障者には限らないでしょうが。
最後に無駄話です(今回は長い!)。
ネットの発達で、web予約やweb支払いが一般化していますが、それ関係で、この1ヶ月余り、色々とトラブルがありました。
先ず10月20日に研究所の創立60周年で参加した人(夫婦連れ)が空港からホテルまでのタクシーを予約(前払い)した際に、私は乗り合いタクシーの全国サイト(グーグル検索でトップにくる)を薦めたのですが、このサイト、2人になると、何故が一人の4倍近い値段を要求する仕様(しかも一人の時の値段は示さず)になっていて、実際の車を手配するtaxi kiruna
に出ている値段の倍の値段(片道でなく往復の料金)を要求していました。この会社に「片道と往復が間違っている」と指摘しても、「これは正しい筈」というメールのあとは、補足も何もなく、消費者相談にコンタクトを取ると「スウェーデンでは価格は自由に設定できる」との答えで、結局のところ口コミで「空港タクシー検索でグーグルのトップに出てくるflygtax.seは使ってはいけない(わずか8kmの距離に1万円近く要求する)」と宣伝するしか方法がないそうです。私はSNSは一切関わらないので、そういう手段がとれないのがもどかしく感じましたが、ともかく、スウェーデンに訪問される方は覚えておいた方が良いでしょう(北欧のタクシーは高いので1万円が高いと判断しにくいだろうから)。
次のトラブルはベルギーでは汽車のチケット購入で、カレンダーから日付を選ぶ際、一列目が日曜(欧州は1列目が月曜のところが多い)で、かつ色分けされておらず、しかも確認ページには日付情報はあっても曜日情報はなく、月曜ー金曜と覚えていた私は行きの日付を1日間違えて買ってしまいました。気付いたのは購入5分後で、キャンセルは出来ません。しかしEUは購入24時間以内の払い戻し可能を義務づけており、WEBの問い合わせを使うとともに、電話で事情を話すと「日付の変更は出来ないので、新しくチケットを買って、間違った方と両方のチケット番号を教えれば間違った方を払い戻す」という面倒な方式を取れとのことです。そこで新しく「往復チケット」を買ったところ、片道分だけが払い戻されるというエラーがあり、何度がwebやメールでやり取りしたあとに、やっと残りも払い戻されました。最終的にはクローナとユーロの為替の分の損(500円程度)をしますが、とりあえずOKです。ともかく、今回の件でカレンダー形式の怖さを身にしみて覚えました。
ベルギーではホテルの支払いもトラブりました。夜着く事から、支払いを銀行前払い振込にしたのですが、届くのに1週間もかかり、旅行を始めたあとに、やっと「届いた」というメールが来ました。しかも、出発2日前には「早期チェックイン」と称してweb経由での支払いが可能になっており、次回からはwebを利用します(さすがに為替レートだけは銀行振込の方が良いものの、そのだけの価値はない)。
最後のトラブルは日本のスカイマークで、web購入にデビットカード用の3D認証システムが使えたまでは立派だったものの、それでこちらのアカウントは引き落とし準備(週末なので、実際に引き落としは週明け)に入っているのに、スカイマークのシステムはそれを「未払い」と認識して(3D認証を知らないプログラマーがソフトを組んだとして思えないバグ)、何度も「支払いが済んでいませんので期限までに」という催促が来る次第です。たまりかねて、出張前の早朝に電話して(メールやチャットでの相談ができない)、ようやく確認を取ってもらった次第です。さすがにお詫びで座席指定を無料でしてくれましたが、日本でデビットカードや3D認証があまり進んでいないことを実感しました(ちなみに、もう一つジェットスターも予約したけど、こちらは世界的なLCCだけあって、身障者対応の予約まで全部WEBですんだ)。