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リハビリ記録その175

2017-6-4
山内正敏

 4月に引き続き5月も異常に寒く( 概略表 )、アパートの建物の玄関前の根雪が少し融けて、やっと氷(雪)の上を歩かずに外に出られるようになったのが5月18日、大抵の歩道を雪の上を歩かずに済むようになってのが5月24日(その後も積雪は普通にあるけれど)、市内の一番暖かい場所でタンポポを見かけたのが5月23日と、例年より3〜4週間遅い春で、林の中には雪が未だに残り、池や湖に至ってはことごとく凍っています。1968年以来の寒い4〜5月で、5月11日に研究所からアパートまで歩いた際(5km以上の歩行はこの日が2度目で、例年より圧倒的に少ない)には、髭が白く凍り付いていました。

 そんな訳で、今年で7度目の参加となる ハーフマラソン (350km南の県都ルーレオで開かれる)までに十分な歩行訓練が取れず、今年はゴールタイムの目標を例年(3年前3時間47分30秒、昨年3時間48分50秒、一昨年は気温2度の大雨が後半吹雪に変わって途中棄権)よりはるかに遅い3時間55分、最悪で4時間と設定しました。もっとも、これは昨年までの10km周回2周の場合のタイムで、今年から周回1周だけの新コースとなった影響は不明でした。
 コース変更で一番気になったのが、坂が増えたかどうかです(10%下りだと50mに2分かかるかかるから)。主催者に尋ねたところ「昨年までと同じように平坦で、しかも美しい」コースだそうで、地図で見る限り、確かに丘はなく、海岸の横の歩道を通ることで車道兼用区間も減っています。だから決定的な練習不足の今年でも、もしかすると3年前の実質自己ベスト(昔の軽い歩行器ならもっと早いけど)を更新できる可能性もあります。
 でも、なぜ今まで周回2周だったのか(=走りやすいコースで20kmを確保出来なかったのではないか)という懸念と、一番難しい急坂=歩道が車道の下をくぐったり車道の上を越えたりする際の坂)が4ヶ所増える(代わりに計3つ減る)ことから、練習不足で後半大きくスピードが落ちる可能性を考慮すると、初参加時(2011年:道に迷ってスタート地点に着くまで3kmも歩いたうえ、休む間もなくスタートして、最後はくたくたになった)の4時間10分40秒は超える可能性もゼロではありません。
 もちろん、どんなコースであれ、完歩さえすれば「コース新記録」だから、タイム自体は気にならないのですが、それでもゴール予想タイムが気になったのは、帰りの長距離バス(ゴールから800mの所にバス停があって、350kmという距離のため、朝と午後に1本ずつしか走らない)がスタート4時間27分後で、荷物の受け取りとか着替えとかランチ(参加費に含まれている)の受け取りとかを考えると最低でも30分(昨年は37分あったのにギリギリだった)、運悪く4時間10分かかってしまうと、ランチを省略してすらギリギリになってしまうからです。なので、前日のうちに予備のパンとかを買い、荷物を最短で取る(ゼッケンが必要)方法を介護と共有し、18.5km(一旦ゴールまで1kmに近づく)での棄権の可能性まで考えてのスタートとなりました。
 で、実際のコースですが、予想をはるかにこえる難コースでした。まず4.5km地点の立体交差の坂が10%で、疲れていない状態にもかかわらず2分余分にかかった(昨年までのコースにそんな坂はない)のは序の口で、6.1km地点に海岸線に出てからは、なんと土道(小さな砂利)になってしました。幸い、整備された平坦道で、即棄権にはなりませんでしたが、たとい平坦でも車輪の抵抗で遅くなるし、いくら整備されていても多少の凸凹はあるわけで、1km当たり3分以上余計に時間がかかります。
 地図によれば海岸線は3km余りもあり、もしも新コース部分のうちの他の湖畔部も同様なら、とてもではありませんが、4時間10分という(キルナに帰る為の)制限時間には間に合いません。もちろん、コースを知らない私は、市の中心部に近づけば舗装になるのではないかと期待したのですが、現実は厳しく、7km地点からは「自転車は押して下さい」との看板とともに、横傾斜の山道(歩行器が斜めに立ってちょっと気を抜くと海側へ転倒する)になってしまって、一番ひどい横傾斜の部分は、僅か10mを超えるのに1分もかかったほどです。それが1.5kmほど続いたあとに、少しマシな傾斜に戻りましたが(http://www.irf.se/~yamau/gbs/photo/170520_7.7km_88min.jpg)、結局3kmに45分(15分余計)もかかって、先の急坂と合わせて既に予定より17分超過です(ベストより20分遅い)。ただ、体調はさほど悪くなく、ベストにはほど遠くとも去年と大差はなさそうで、なにより、3km強の悪路込みでの21kmともなれば完歩自体に大いに価値があるので、「二度と参加しないぞ」と思いつつも、足と手(体重を歩行器にかけるので、足よりも掌が痛くなる)の続く限り歩く事にしました。
 後半の新路は2ヶ所あり、1ヶ所目は11.5km-15.5km地点で、こちらは砂利道と急坂によるロスが3分ほどあったものの、全般的には新しい自転車道のお陰で歩きやすく、16-18km地点では昨年より16分遅れまで回復しています(疲れでペースは落ちているけど、それは昨年も同じ)。どうやらこの部分が今年初めて1周コースを取れるようになった理由のようです。
 ともかくも18.5km地点(棄権するラストチャンス)の段階で、昨年比16分遅れで済んでいたので、これなら、土道で無理をした疲れの蓄積(毎年3時間を超えると1割以上遅くなる)や若しかしたら悪路が入っているかも知れないことによるロス(恐らく5分以内)を考慮してもバスにも間に合うというと判断して、(10kmコースとの)分かれ道で新路をとりましたが、これが想像以上に酷いものでした。まず始めの1kmが土道より悪い凸凹傾斜道で(4分余分にかかった)、最後の500mが長くきつい下り(4分余分にかかる)、しかも21.1kmでなく21.3〜21.4kmだったというおまけま(グーグルでチェックしてもそうだった)までついて、結局2時間14分10秒でのゴールとなりました。バスまで12分しかないので、そのまま立ち止まらずにバス停に向かい(22km以上歩き続けた)、同時に介護には荷物を走って取ってきて貰って、ぎりぎりバスに間に合った次第(Tシャツだけ着替えている時にバスが来た)です。
 結局、トータルで5kmがアスファルトなし、うち3kmが悪路(他のランナーもねん挫の心配をしていたほど)で、歩いている最中は「来年も同じコースなら参加しない」と思ったほどです。でも、それほどきついハーフマラソン(平坦アスファルトなら24kmに相当)というのは、リハビリの進展を実感する上では最高の機会で、今回のように「知らずに参加」しない限り挑戦はしないし、現実には例年と違って最後までテンポを維持出来て、内容自体には満足したので、翌日には考えを改めて、早速主催者に「来年はスタートを30分〜45分繰り上げてほしい」との要望を出すています。この要望の理由は、ランナーとの出走時間の差が45分しかなかった為に、一番危険な山道3km区間で全てのランナーに抜かれて接触事故の棄権が常にあったためです。

 なお、今回は完歩後にスウェーデン国営放送ローカル版のラジオとテレビのインタビュー(3日後と11日後)を受けています。ラジオは5月29日に放送され、 webサイト には写真とスタート地点動画もあります。テレビのほうは研究所からの帰りを歩く様子が撮影されて、こちらも(放送時よりはかなりカットされた形ですが) アップされています

 最後に無駄話です。
 スウェーデン・ラップランドの鉄道駅から券売機が消えてしまいました。窓口が10年以上前に無くなった際に、代わりに券売機をおいたのですが、利用者が少ないことから廃止になり、(正規料金+追加料金の必要な汽車の中を除けば)チケットは100%ネット購入となりました。スウェーデン全体でも、(都市近郊電車を除けば)券売機は 数えるほどしかなく、 窓口に至っては 3大都市の中央駅のみ となっています。
 更にバスもネット購入が少し安くなり、かつバス内ではカードしか受け付けなくなりました(現金が一切廃止)。昨年まではルーレオ市内バスだけがカード専用だったのですが、それがキルナ界隈や長距離バスにも適用されるようになったわけです。なので、ラップランドの旅行では、ここで通用するカード(デビットカード)が必須となります。

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