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リハビリ記録その58
2007-9-2
山内正敏
何年かに一度の夏の長雨と、それに伴う虫の異常発生の、最悪の夏が終って、やっと1週間前に爽やかな秋晴れを迎えたのも束の間、8月30日の朝には2センチの積雪に覆われて、今日もみぞれが降っております。9月上旬の積雪や8月末の時雨雪は年によってありますが、8月の2センチ積雪は記憶にありません。
トレーニングの方は、虫の異常発生(長雨のせい)の為に相変わらず松葉杖が殆ど不可能でしたが、プールがレギュラーに再開したので、まずまずの訓練が出来ています。プールは普通は再開直後に大きな進展は無いものですが、今夏は歩行器で膝の筋肉(膝の直ぐ上)を重点的に訓練した成果がプールにも現れていて、階段3段目(水深65cm)でバランスと取りながらゆっくり腰を下ろして、最終的に両手を膝で支え静止する訓練(先月のレポート参照)が急速に上達して、3回に1回は5秒以上静止する事が可能となっています。安定的に静止出来るまであと少しでしょう。同じく階段3段目で手放しで左右に体を捻る訓練も数秒以上安定するようになっています。あと、階段2段目(水深80cm)での手放し片足立ちが2秒程可能になって、これもきちんとした「静止」まであと少しです。
膝バンド無しでの肘歩行器では、6kmの標準コースを1時間18分で歩いて、1ヶ月前より7分、2ヶ月前より12分も更新しています。最長距離も更に延びて9kmを2時間6分で歩きました。肘歩行器では他に膝バンドばかりでなく足首の固定器を外して(要するに足に何の補強も付けずに)歩く訓練を始めています。最長距離は5km弱で28度の炎天下(この夏一番の暑い日だった)に2時間半かけて歩きました。
膝バンドを外した普通の歩行器では、ワイン4本を籠に乗せて1km以上歩くという事もやっています。重いものを乗せて下り坂を歩くのは。距離やスピードとは違うハードな訓練ですが、何とか無事にワインを自宅に持ち帰りました。こんな風に買い物は基本的に膝バンドなしで行っています。あと、研究所(タクシー通勤)には膝バンドも足首固定器も外して普通の歩行器で行っており(所内だけだと歩行距離が極めて短いので)、先月はとうとう研究所行きに車椅子を使いませんでした。車椅子でないと書類を取ったりするのが不便ですが、そのかわり腰には断然良くて、冬に酷かった腰痛もかなり収まっています。これら、膝に重点を置いた歩行訓練の効果は覿面で、太腿の膝の直ぐ上の表側で筋肉痛を感じるようになりました。筋肉痛は筋肉が存在して始めて起こるもので、それが殆ど無かった昨年とは大きな違いです。
膝バンドを付けた歩行器での歩行は1回だけで、これは研究所からアパートまでの7.9kmを歩いた時の事で、たまたま26度の炎天下(キルナでは25度以上は炎天です)だったので、さすがに前回よりも10分余分に時間がかかりました。この温度で暑さの影響がもろに出るのですから、大阪の国際陸上はさぞかし大変だっただろうと思います(これでクリュフトはよくぞ女子7種競技のヨーロッパ新記録を出したものだ、、、)。国際陸上を何故10月開催にしなかったのか全く分かりません。
毎朝の床運動では、ベッド脇で片膝を付いて片手をベッドで支えて腰を浮かす訓練でかなり高くまで浮かせられるようになったのと、腹這いで足を上げる「腰痛対策」の訓練で、右腰に痛みを感じる事なく両足を曲げる事が出来るようになった事がここ数ヶ月の成果としてあげられます。あと、ブリッジの訓練でも、腰がかなり浮くようになって、腰の筋肉は着実についているようです。
こんな具合に腰の安定性や腰を伸ばす筋肉は確かに良くなっていますが、何故か松葉杖(虫が多いとは言え、何度か長距離には挑戦している)のスピードは昨年と変わっていません。これは、冬に腰痛対策で歩く姿勢を変えた影響と思われます。腰を伸ばした方が腰を曲げるよりも「楽」なのは歩行訓練の際にずっと感じていて、逆に言えば腰を伸ばした歩行の方が腰を曲げた歩行より難しく、その差でスピードが昨年より速くなっていないのでしょう。それで記録更新という訳には行きませんでした。
一方、7月に(腰を庇った漕ぎ方故に)記録を更新出来なかった3輪自転車は8月に更新して、1.1~1.2kmコース13往復を1時間24分で漕いで平均時速10キロを初めて越えました。また、ギアも昨年より重い段が長続きするようになっています。その割に腰痛が昨年より軽度で済んでいるので、フォームも良くなっているのでしょう。夏の成果としては一応満足しています。
さて介護の方は、混乱しがちな夏の休暇シーズンを終えて(酷い介護が一人いた)、ノーマルに戻っています。現在、3人目としてポーランド人(25歳、3月にキルナに来たばかりの新参)に試験的に来て貰っています。スウェーデン人と違って機械音痴なのが頭が痛い所ですが、きちんと歩行訓練に付き合ってくれるので、トータルでは良い介護でしょう。もっとも、キルナの冬を経験していないので冬の訓練でどうなるかは知りませんが。一方、新学期を機会に介護の総時間を夏前の週96時間から週91時間に減らしました(ちなみに昨秋は100時間)。介護時間の裏話は
リハビリ記録その55
を参照下さい。
あと、介護と言えば、冬〜春の5ヶ月間介護に来てくれていた21歳の女の子の結婚式が近くの教会であって、それに出て来ました。今までに数多くの介護のお世話になっていますが、介護の結婚式は彼女が初めてです。極めて質素な結婚式で、そのあとの披露宴もプレゼントも無いという、キルナですら珍しいものでした。彼女は結婚式の翌日に新郎の住む街に引っ越し、これで優秀な介護がキルナから一人減ってしまいました。
最後に例によって無駄話です。
私か健康な時に何度か歩いている(滑っている)ヨーロッパ最長の自然歩道
kungsleden
の、その内でも一番有名な110kmコースで、第3回山歩き大会(
Ffj"allr"aven Classic
)が3週間前に行われ、日本人が初めて(3人)参加しました。
テントを担いで5日以内の完歩を目指すもので、アウトドア会社が2年前から主催しています。年々参加者を増やして、今年は1000人以上が参加しましたが、この手の山歩き大会、実は十年前から同じコースで自ら企画したいと願っていた類いのもので(上記リンク参照)、意外に好評なので外部者ながら喜んでおります。この大会、コースの途中に一般道路のアクセスは全くありませんが、コースの安全性やサポート体勢により、この手の長距離山歩き大会で最も安全な大会になっています。現に110kmという距離にもかかわらず、1026人の参加者(平均年齢は37歳、3割が女性)のうちの998人(97%)が5完歩し、内訳は、592人(58%)が3日(72時間)以内ゴ、281人(27%)が4日間(72~96時間)、108人がが5日間(96~120時間)、5日以上以上かかったのは17人。一番遅かったのが130時間34分でした。
1000人ともなるとヨーイドンという訳には行かないので、土曜午前10時、土曜午後5時(白夜から間もないので夜10時過ぎまで明るい)、日曜午前10時、日曜午後5時の4回に分けて出発しました。なお、今回参加されたうちの日本人の一人は旅行会社(フィンツアー)の人で、これを来年のツアーに考えているそうです。宣伝の前に実際に体験して足に豆を作るとは素晴らしい心がけなので、ついでに紹介しておきます。
詳しい記事は、今回同行取材をされたシェルパ斉藤氏がアウトドア雑誌(BE-PAL、小学館)に書くそうですので、興味のある方はそちらをどうぞ。
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