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リハビリ記録その39
2006-2-05
山内正敏
立春を迎えて日が随分高くなりましたが、気温だけはこの冬何度か目の寒波でマイナス20度近くまで冷え込んでいます。先週のヨーロッパはモーツアルトの生誕250年(1月27日が誕生日らしい)企画で、国営第1テレビ(土曜日)もFMラジオ(日曜日)も12時間内外の連続生中継をモーツアルトゆかりの都市からやっており、テレビを持たない私は、日曜日にラジオを一日中聞いておりました。この手の連続ライブ企画は、9年前のシューベルト生誕200年に始まったそうで、(出張や入院でラジオから離れていたので、その後のことは知りませんが)、久々にFMを堪能した気分です。
トレーニングの方は、毎朝の床運動が随分充実して来て、内容の増加に伴って最近は15~20分かかり、3ヶ月前に始めた頃の倍の量になっています。内訳は
(1)
仰向けで足を前後左右に動かす、
(2)
仰向けで腰を浮かして片足だけでバランス、
(3)
仰向けから足の反動を使って起き上がる、
(4)
手を使うV字腹筋バランス、
(5)
横向きに寝て足を上げる、
(6)
四つん這いの片手片足バランス(対向バランス)、
(7)
正座に近い状態から手を膝頭にそえて腰立ちする、
(8)
片膝をたててバランス、
(9)
片膝を立て、片手をベッドで支えて、もう一方の膝を浮かす、
です。特に片膝訓練は、過去1年程ずっと毎朝やっていたのに停滞気味だったのが、他の床運動との組み合わせを始めた途端の再び進展を見せ始めて、床訓練が有効である事を如実に物語ってくれています。対向バランスのほうも、3ヶ月前に数秒しか出来なかったのが、今は10秒近くバランスが取れるようになり、同様に他の項目もこの1ヶ月での進展を実感します。
バランスが良くなったのはプールも同様で、1ヶ月前に始めた、階段3段目(水深65cm)で
膝頭に手をついて(手すりなし)静止する
訓練では、この2〜3回程、1秒程静止出来るようになりました。僅か1秒でも、とにかく自力でバランスを取っている感じがする訳で、これは腰と太ももの筋肉が安定して来た事を意味します。同じく階段の2段目(水深80cm)で、
手放しでの屈伸
がかなり頻繁に(必ずではないにせよ)出来るようになり、これもバランス向上の賜物です。バランスの向上を受けて、
膝バンドだけでの直立バランス
訓練も始めています。まだ一瞬ですが、そのうち出来るようになるでしょう。また、平行棒での歩行でも、両手を離した状態の時間を少しずつ長くしています。
バランスの向上には、足の指の回復も関係しているかも知れません。半年ぐらい前から、足の指関節の柔軟を始めていますが、始めの数ヶ月は、ちょっと曲げるだけで、腰に激しい神経痛が走っていたのが(足指なのに、痛みは腰です)、最近はそれが無くなり、同時に足指のいくつかに筋肉の感覚(動く訳ではありませんが)が戻って来ています。やはり、リハビリの基本は関節の柔軟にあるようです。ただ、その関節の柔軟でも、一番の難物である手の親指第2関節はまだまだ時間がかかりそうです。
筋力の方は、2ヶ月前に出来始めた、プール階段4段目(水深50cm)での
膝屈伸が、楽な姿勢(手を6段目につく)だと確実に10回出来るようになり、きつい姿勢(手を7段目につく)でも3〜4回確実に出来るようになって、脚力が確かに進展している他、今日などは歩行器で歩いていて躓いた時に、以前なら確実に転んでいたのが、今日はなんとか手だけで体を支える事が出来て(その間に介護に腰を持ち上げて貰って復旧)、腕力も確実に回復している事を多いに実感しました。
生活の方は、自力で寝るよう回数を増やす(週1回にする)ようにしています。ただし、この場合、夜用の尿袋を接続しないので、夜中に一度は昼用の尿袋を空けないといけません。今までだったら呼び出し介護を呼んで、溲瓶に空けてもらっていた所ですが、つい最近、自力でベッドまで起き上がり、床の敷き布団をめくって、そこに車椅子を持って来て、床→ベッド→車椅子の順で移動して、自力でトイレに行って尿袋を空けられるようになりました。非常に時間がかかり、すっかり目が覚めるので、翌日に疲れが残りますが(だから金曜夜しか出来ない)、そのうち平日でも出来るのではないかと思います。
ただ、悪い事もあります。筋力の回復に伴って、夜の歯ぎしりが激しくなり、とうとう2週間前に奥歯が割れてしまいました(抜かざるを得なかった)。以前にも書いたように、病気によって内分泌が変わって(だから今でも胃結石や尿道結石が酷い)、唾液の効力が病気前より遥かに落ちています。それで歯が脆くなったのでしょうが、それにしても割れてしまうとは思いませんでした。内分泌の治療だけはリハビリではどうにもならないので頭の痛い所です。そして、この問題がギランバレー患者・医師の間で殆ど知られていないのも、頭の痛い所です。
話は変わって、先週は街の中心部にオープンした新しいミニ劇場(50年前まで使っていた診療所を改築したもので100人程度収容)のこけら落としがあり、市内の合唱団やブラスが集まって、少しずつ発表しました。私の所属する合唱団も2曲歌ったのですが、問題はステージで、そこに登るには急な階段しかありません。幸い、他人の背中にしがみつく事が出来るようになっていたので、なんとかステージに登れましたが、階段が急過ぎて下りはちょっと危険を感じました。今時、急な階段のみのホールをオープンするか? ってな感じで合唱の他のメンバーは憤慨していましたが、まあ、こんなものです。クレームがついて始めて対策が進む訳で、こういう例がオープニングの日にあったからには、そのうちエレベーターがつくでしょう。いや、あれ、私がキルナ市に電話しなければならないのかな?
最後に連絡です。
まず、年賀状の一部が入院前の旧住所宛でした。
次に、過去にスウェーデンに来られた事のある方への連絡です。スウェーデンでは偽札防止の為に、数十年スケールで紙幣を切り替えていますが、10年程前に導入した新札(旧札とデザインは同じで、ただ、偽造防止に、銀色の飾りが横の方に加わっている)が十分に普及した事を受けて、昨年末を境に旧札が使えなくなりました。一応、一般銀行で3月31日まで新札に取り替えてくれますが、それ以降は、ストックホルムの国立銀行だけが交換の窓口になります(しかも手数料付き)。そういうわけで、500kr札と100kr札の旧札をお持ちの方は、急ぎご連絡下さい。
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