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リハビリ記録その2

2002-12-09 山内正敏

 キルナは極夜とクリスマス電飾の季節となり、日照時間は私のアパート(丘の上でかつ5階)ですら30分余りで、これも間もなくゼロになります。
 今シーズン初めての真珠雲(7色の成層圏雲)が大規模に出ました。実は一昨日(土曜)の朝焼が黄色っぽく典型的な前兆(=単色の成層圏雲)だったので、後は暖かくなるのを待つだけだと思っていたら、今日気温がマイナス2度まで上がるや、予想通りに美しい雲が空を飾ってくれました。で、今回はビデオ無人撮影(インターバル撮影モード)に挑戦しましたが、日本語の器械の操作を介護に説明するのは大変で、午後病院から戻ってビデオをチェックしたら何も映っていませんでした。
 尚、今年は(去年もですが)宛名書きが出来ないので、年末/年賀状は失礼させて頂きます。
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 さて、蛇足ながら、この3週間のリハビリの進展を報告します。
 肩(上腕)は筋力も柔軟性も随分戻ってきて、バンザイや手枕が出来るようになった他、車椅子の上で片腰を浮かして(=両手で体を持ち上げる)介護一人だけでズボンの脱着が出来るようになり、今週末には寝た状態からベッドの端に座る事がなんとか出来るようになりました(=足をベッドの外に出し、上半身をひねり、両手を使って体を起こす)。これでやっと寝たきりからの脱出です。食事の方は、手首を固定すれば、両手を使って特製コップで水が飲めてお菓子程度は食べられ、更に補助用具を使えば、スプーンでスープが飲め、フォークで柔らかいものを突き刺す事が出来ます。
 腹筋も少し戻って来て、半腹式呼吸が無意識に出来るようになった他、車椅子漕ぎも肩(上腕)の力だけでなく腹筋背筋を使うようになって平均時速4キロが出るようになりました。ちなみに現在のベストは約4キロ(24周)が56分、後向きだと2.5キロ(15周)が57分です。
 上半身に比べると下半身は遅れていて未だに立った状態になる事も出来ません(立ち上がる事は勿論出来ない)。その最大の理由は訓練不足にあります。とにかく私が一人で(=車椅子上で)出来る自主トレは上半身だけなのに、先月から担当になった体操療養師は、私が自主トレをしているのを良い事に私に殆ど時間を割かず(3週間で計4時間だけ)、そのまま下半身の練習不足となっています。さすがに腹を立てた私が、外来リハビリのスケジュールを決めるミーティングで、下半身のトレーニングを強硬に主張した結果、今は体操療養師抜きで(介護だけの補助で)下半身訓練をするプログラムが出来つつあります。そのリハビリのメインは尻と太股の筋肉(と云うか運動神経と云うか)の訓練で、水の中でも体操用寝台の上でも、もっぱら腰と膝を同時に伸ばす訓練をしています。殆ど 100% 自主トレ状態というのはプールの中も同様で、いざという時の為に介護が水の中に入っているものの殆ど用事は無く、体操療養師に至ってはプールの外で眺めるだけです。ちなみに半年前は常時2人の体操療養師が水の中で私を支えておりました。
 介護生活は随分慣れて来ましたが、色々ハプニングもありました。2週間前、介護のうちの1人が鬱症で急に介護から降り、補充を捜している間(約1週間)に今度は別の介護が風邪を引いて、1週間を3人のローテーションで凌ぎました。辞めたのは優秀な介護でちょっと残念ですが、良い新人が見つかってほっとしています。更に今朝はもっと緊急事態で、明け方2時頃、当番の介護の父親が倒れて救急車で集中治療棟に運ばれ、ピンチヒッターとして別の介護(本当は7時からの予定)が午前3時過ぎから午後3時過ぎまで担当しました。彼は一昨日もピンチヒッターで12時間担当しており、今日の午後はさすがに憔悴し切っておりました。尚、前回問題児が一人いると紹介しましたが、今や他のベテラン2人の顰蹙も買っていて、私が我慢すれば良いだけの問題ではなさそうです。
 社会復帰の方は、まず2週間前のスキーのワールドカップ(個人戦)の応援に行ってきました。1年以上振りにスポーツに接した上、日本チームの監督さんにも再会して随分楽しみましたが、日陰のマイナス18度の3時間すわりっ放しはさすがに凍えて、翌日のリレーは家でラジオを聞いておりました。十日前には市民会館で気候変動会議があったので見に行って(もちろん質問もして)来ました。車椅子座席は最後方(2階)しか無かったので、1階のドアから入れる所(最前列)に陣取りましたが、狭くて不便で、最前列にも車椅子座席が欲しいと思った次第です。訪問者は退院直後と対照的に全くなく、よって酒も全く飲んでいませんが、向こう2週間はパーティーが目白押しとなっています。

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