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リハビリ記録その153

2015-8-1
山内正敏

 キルナ測候所始まって以来の不順な夏となりましたが、それでも例年通り休暇を利用して、せって歩いております。

歩行器では、一番長い距離でキルナ郊外のユッカスヤルビ(アイルホテルのある村)からやや遠回り18kmを3時間20分、他にも7月の1ヶ月で14kmを1回、12km前後を5回、8〜10kmを4回歩き、更に足首固定器を外して最長6キロ、3km以上を3回歩いています。中でも12km歩行は坂があるにも関わらず下旬には時速6キロに近い速度(12kmを2時間のペースに30秒とか1分とか足りない程度)で歩いて、平地なら分速100mを2時間以上続けられるようになりました。
 そういう訓練のお陰か、脚力が更についた感じで、松葉杖が急に速くなって、昨年までの4年間で3分しか更新出来なかった坂道2km強コース(1時間10分近くかかっていた)で一気に6分以上更新して、1時間を切るまでになっています。さらに松葉杖での距離も久々に更新して、4.5kmを2度も歩いています。時間に直すと2時間強で、これは膝バンドを使っていた頃や、膝バンドを外した直後の、それこそゆっくりとしか歩けなかった頃には続けたことがあったものの、今のように屋外でも時速2km以上で歩くようになってからは全然続かない時間でしたが、それもどうにかなったようです。本当が松葉杖にあまり頼らないような歩き方を目指すべきでしょうが、その種の訓練は室内訓練が主流となる冬にすべきで、いまはひたすら、長時間の筋肉使用に耐えるべく訓練しています。
 そういえば、病気になって1〜2年目ぐらいのギランバレー情報では、回復はまず短時間の筋力が戻って、持久力が最後になるとありましたが、これは十分な統計に基づく科学的情報ではなさのうで、少なくとも私のような元々持久型の人間は、長時間に耐える筋肉をつけることは、筋力そのものを次第に底上げするようで、結局の所、病気前にどのような訓練が一番効率的であったか、という個人差がそのまま回復時の個人差になるような気がします(私の場合、短距離は長距離訓練につれられて20歳代後半にのびて来ており、普通の選手と正反対だった)。

 さて、仕事の方ですが、欧州宇宙機関(ESA)の次期ミッション提案(2029年〜2030年打ち上げ)の仮日程が公開され、なんと来年前半が締め切りになるようです。前回の提案(2025年打ち上げ)と打ち上げ次期が4年以上も違うのに、提案締め切りは1年余りしか違わないようで、休暇終了後はそれに本格的に取りかからなければなりません。10月の日本行きの日程を決めた後の、公募日程公開だったので、ちょっと損した気分ですが、この種の間の悪さは今に始まったことではないので、日本行きは当初の予定通り、仕事を入れない(最終日名古屋はちょっと入れますが)で済ませようとおもいます。ちなみに、当初の予定であった筑波/福島訪問(放射能汚染の研究者が多い)は、ヘルシンキ乗り継ぎの関係で名古屋発着となったため、今回もパスすることになりました。メインが宮崎(+福岡)なので、さすがに関東は無理です。

 最後に例によって無駄話です。
 キルナの夏が不順と書きましたが、統計的には、1957年にキルナ測候所が観測を始めて以来最悪の、「夏らしい日のない」夏で、なんと6月7月に最高気温が20度を超えた6月22日の20.2度一回だけで、7月は1度もありませんでした。過去最悪は1962年の1日(7月に20.3度が1回)で、次が1991年と2012年の2日(1991年は7月に2回、2012年は6、7月に1日づつ)、1968年の3日(7月に1日、6月に2日)と続きます。それらの記録をあっさり塗り替えてしまいました。ちなみに昨年は最高気温20度超えが7月だけで25日もあり、もっとも夏らしい日の多かった年となっております。当然ながら日光浴など全く出来ず、折角の日光浴用椅子が全く役に立っていません。
 ちなみに夏の不順はキルナだけでなく、スカンジナビア全体に当てはまっています。ここ3週間ほど、スウェーデンのどの地点をとっても、最高気温25度以上が0〜1回という、歴史的にも希な「夏日のない」夏を迎えています。スウェーデン気象庁の定義では25度以上が「夏日」で、例年なら7月は数多くの夏日で人々が日光浴を楽しむのですが、今年は雨ばかりで、日光浴どころではないのはキルナだけではないようです。

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