2013-9-1
山内正敏
7月下旬に来た2度目の夏は8月も続き、比較的暖かくて(暑いではない)太陽の多い日となりました。それでも8月下旬には空気も気温も秋になってしまって緑が黄色く色づき始めています。
天候に恵まれたので、新しい(摩擦の重い)歩行器で色々な場所を歩いております。摩擦の重い分、前の歩行器より特に登りで負荷がかかって良い訓練になり、平地や軽い下りで5%程度、登りで10%程度遅く、急な下りだとかえって速かったりするようです。歩行器のタイムが年に3〜5%程度しか伸びない為、見かけは一昨年のベストを越えて昨年の初夏のころのタイムに戻っていますが、実質的には例年並みのペースで速くなっています。なので、今、この歩行器で21キロ歩いたら、おそらく今春のタイムより速く歩けるでしょう。
一方、松葉杖は殆ど安定したタイムか続いています。ベストの更新こそありませんが、悪い時のタイムが底上げしています。あと、例年だと夏場の長距離歩行訓練の疲れでバランスが悪くなるのが、そこまで悪くなっていません。おそらく、長時間使う筋肉と、バランスの為の筋肉が両立するようになって来たためだと思います。
とはいえ、夏休みで出来なかった訓練の場合、体操療養師の時間での訓練(松葉杖での階段昇降、5週間ぶり)にしてもプール訓練(9週間ぶり)にしても、再開後あるていど必要な脚力が戻るのに時間がかかり、前者で2週間、後者でそれ以上(2週間前に再開して、まだ本調子でない)かかってしまうのは例年並のようです
前回、前々回と続いた介護不足は8月はどうにかなったものの、春に抜けた穴(50%の仕事)を埋める人間が未だに決まっておらず、皆が学校に戻る9月以降は不安が残ります。先月何日か働いてくれたガーナ人は意思疎通の問題で難しく(どちらも不完全なスウェーデン語だから)。それでためらっていたら、あっという間に他に人に正規介護として取られてしまいました。とりあえず、明日明後日と、新しい人(19歳〜20歳)で試すところですが、事前訓練に来た感じでは健康に問題がありまる。出来れば別の人が良いのですが、贅沢は言ってられず、試して様子をみるしかありません。
介護といえば、10月の日本行きにも正規介護を連れて行く事にしました。介護を連れて行く理由は、法律で、EUの外での現地介護の補助が原則なくなったのと、名古屋から新幹線(病気後初)で京都(病気後初)、福岡と点々とする予定だからなのと、航空券が思いのほか安かったのと、介護のホテル代を介護会社が出してくれそう(キルナ市だった頃は補助ゼロ)なのが主な理由です。格安航空会社が日本と欧州すら結ぶようになって、キルナから名古屋まで往復10万円以下(これに国内移動を含めても13万円)ですから、2人分の費用が、2年前や3年前の単独移動と殆ど変わりません。もちろん、介護を連れて行くと、私が(日本語通訳で)介護の面倒を見なければなりませんが、2年半以上、長距離歩行訓練に付き合ってくれたので、このくらいの「ガイド付き日本旅行」の恩恵はあっても良いでしょう。
一応、日程(10月)は
23日午前、名古屋着(フィンランド航空)
23日午後、そのまま京都入り(3泊)
26日午後、広島乗換え(駅構内から外には出ない予定)で博多着(4泊)
30日昼、飛行機で中部空港
31日午前、出国
の予定です。
最後に例によって無駄話です。
鉱山拡張に伴う鉄道移転で、1年前に新ルートに変更されて、キルナ駅が盲腸線のように引き込んだ形になっていたのですが、今度は2日前にキルナ駅が約2.5km北に移転しました。そのため、今まで歩いて25分ぐらいの距離だったのか40分以上かかる距離(事実上歩けない距離)になってしまいました。ちなみに廃線された部分は、奇麗に整地されて、砂利道ながらもトラックが通れるようになっています。おそらく、陥没するまで使われると思います。
一方、鉄道そのものに関しては数年前から複線化の話が出るようになりました。鉱山からの産出量が増え、同時に需要も増えた為、単線で運べる限界に近づいているからです。現時点で一両500トンはあろうかと思われる鉄鉱石貨車を68両繋いで走っていますが(私かキルナに来た頃は40後半から54両に増やしたというニュースが流れていたけど、牽引車の性能向上で68両まで可能になった)、離合できる駅が10キロ置きにしかないので、一日に運べる量が限られており、これ以上は複線化しか方法がないようです。貨車1つが短いとはいえ、68両は壮観で、汽車の端から端まで、へたな私鉄の一駅分を越える長さとなります。おそらく、世界で一番「重い」貨車だと思いますが、詳しくは調べていません。
いずれにせよ、故郷宮崎で決して実現しなかった複線が、こんな田舎の貨物線で行なわれるとは奇妙な感じ