2013-6-9
山内正敏
5月後半からラップランド全体が記録的な暖波で、5月末はキルナの東100km地点で30度を記録するほどで、一時期はヨーロッパ(スペインやシシリアを含む)で一番気温が高いのがラップランドという逆転状態になっておりました。代わりにヨーロッパ中部は寒い初夏だったようです。もっとも、緯度相応に寒気も入って来るので、既に2度も激しい雷雨(何故か週末)に見舞われて、停電もありました。
このように気候は順調だったのですが、先月報告した腰痛と風邪で、5月前半はろくにリハビリ訓練ができませんでした。そんな病み上がりの状況ではあったものの、2週間前にハーフマラソンを歩いて来ました。今年で3度目になります。
練習不足ゆえに歩く前からスタミナに不安があり、ペース次第では1周目(10キロ)での棄権も視野に入れていましたが、なんとか昨年並みの実質タイムで歩き、公式には昨年よりも4分半も速い3時間47分で完歩しております。ちなみに昨年は道を2ヶ所も間違えて8〜10分程のロスタイムがあり、今年は途中に舗装塗り替えの工事中区間=砂利道が入ってしまって、4〜5分のロスタイムがあったので、実質的には昨年も今年も3時間42〜43分です。練習不足を考えたら上々の出来で、一応、世界記録の更新という事になります。
新しい事と言えば、今年は主催者側が正式に「yamauchi」部門を作ってくれて、ゴール直後のインタビューもありました。
大会サイト
のInfoをクリックすると、その一番下に私の部門が出て来ます。毎年参加すると、このように認知度も高くなる様で、声援もポンポイントになって気持よく歩けます。なので来年も参加する予定です。もちろん今度こそロスタイム無しのベスト記録を目指します。
ちなみに途中のラップを見ると1周目も2周目も始めの5キロで1分以上昨年より遅く、残りの5キロで遅れを取り戻すという歩き方をしていて、練習不足がスタミナよりもスピードに影響している事が分かります。あと、今年と昨年の違いとして、後半のペースダウンの主要因が、昨年が疲労だったのが、今年は掌にマメができた事で、恐らくは使用した自転車用の手袋が古くなった為だろうと思います。その意味ではまだまだ速くなりそうです。
大会は350km(汽車で4〜5時間)離れたルーリオと言う県庁所在地だったので、昨年一昨年と同様に泊まりがけで行きましたが、今年は今までと違ってレース当日の最終列車(14時50分発)でキルナに帰る日程を組みました。というのも、子供部門のスタートが昨年よりも15分繰り上がって、10時15分と20分のスタートとなり、昨年と同じように5分後のスタート(10時25分)であれば、3時間40分の予想タイム(申し込み時は風邪や腰痛の前)で14時5分ゴールとなって、ロスタイムとか入れても15分にはゴールできる筈だったからです。ゴール地点からタクシー乗り場までの距離や荷物も回収を入れても10分あれば間に合う筈で、最悪でも14時25分に予約タクシーに乗れる事になります。
しかし、実際には、体調が昨年よりも圧倒的に悪く、レース4日前に研究所からアパート間8.5km歩いた所、昨年同時期より5分遅く、始めから3時間50分以上かかる事を前提にしなくてはなりません。しかも主催者側から告げられたスタート時刻が胸算用より5分遅い10時30分で、この時刻は昨年までと違い、今年から正式な「yamauchi」部門になってしまった為に変更の融通が効かなくなってしまいました。更に悪い事に、今年は途中の砂利道によるロスタイムが入ったりして、結局、時間に余裕が無くなってしまいました。
もちろん、汽車に乗り遅れてももう一泊すれば良いだけで、その可能性は介護も了解していましたが、帰れるなら帰った方が良いに決まっています。そんな訳で、歩き続けている時は、記録よりもタクシーに間に合うようにゴールできるかどうかの方が気になっておりました。良いタイムで歩けたのは、この緊張感のお陰かもしれません。結局タクシーまで8分というギリギリのタイミングでゴールし、なんとかその日に帰り着きました。ちなみに、5キロ強のタクシー代は、汽車往復代がほとんど同じでした。
ハーフマラソンのあと、1週間ほど疲れが残りましたが、今は体調も戻り、夏の距離練習を再開しています。メニューは松葉杖が2〜3キロ、距離歩行が10キロ内外で、いずれも4〜5月の訓練不足が祟って未だに昨年秋のベストは更新していませんが、湿気や暑さを考えたら十分に満足できるタイムが出ています。プールの方も、1ヶ月以上続いた不調からようやく体調を戻して、ミスが少なくなりました。
さて、先月お伝えした歩行器のブレーキの問題ですが、書類の方はどうにかなりそうなものの、何故かブレーキそのものが見つかりません。製造中止になった可能性もあるので、日本製でもよいから、指の使えない人の為のブレーキ(歩行器、自転車兼用)を部品として売っている所を御存知の方はお知らせ頂けると有り難いです。手首全体でブレーキのバーを押すタイプになります。
最後に例によって無駄話です。
こちらでは、雪融けのあと真っ先に咲くのがタンポポで、そこで2007年から研究所の敷地でタンポポが咲く日を予想する「タンポポ予想コンテスト」を所内で始めています。主宰は私で賞品は酒です。で、今年のタンポポですが、雪融けが例年よりも早かったにもかかわらず、昨年よりも12日、過去6年で最も遅かった2010年よりも6日も遅い5月21日の開花で、誰も正解者がいない、という奇妙な年になりました(賞品はニアミス予想者に渡した)。調べてみると3月が例年より少し寒かったようですすが、正確な原因は不明です。
一方、他の花は5月後半の記録的暖波で例年よりも早く咲き始め、新緑も例年より2週間ほどはやく出そろい、景色は既に6月下旬並みです。こんな事なら、タンポポだけでなく、他の花の開花も記録を取っておきたかっし、もっと贅沢を言えば、毎年同じ日に同じ角度で外の写真を撮っておきたかったのですが、残念ながらこれらのアイデアは今まで2年と続いた事はありません。簡単なように見えて難しいものです。
ちなみに、こういう事は夏の自由研究に向いた題材の筈ですが、日本の学校は1ヶ月レベルの視点しかないので、10年単位で定点季節写真を撮ったという話は聞いた事がありません。なので、何処かの中学生がやってくれないか、と今も期待しています。もっとも、今はwebカメラがあるから、そのアルカイブから年次変化の写真記録を取り出すという方法もある訳ですが。