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リハビリ記録その18
2004-5-09 山内正敏
タンポポの季節(初タンポポは4月29日)がやってきました。
この3日間、キルナは季節はずれの真夏日(20度、快晴、微風)となって、昨日なんか5月上旬としてはおそらく新記録と思われる22度(平年より20度も高い!)を記録して、市内のあちこちで野外バーベキューのにおいが立ち篭めておりました。かく言う私も同僚のバーベキューに歩行器で参加してます。22度というのは真夏ですら滅多にない高温で、例年なら数日程度、記録的猛暑だった昨年ですら全部で14日しか記録していません。で、その真夏日から半日も経たない今朝のキルナは、何と銀世界の+1度です。ここまで極端な変化もまた記憶にありません(介護の人も記憶に無いと言っております)。
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先日お知らせしましたが、ようやくリハビリ記録のホームページ(冒頭のリンク)を開設しました。私の最新の状況は、そこに表+写真へのリンクとして書き出していますが、これはそっけない記録(資料にするのが目的ですから)に過ぎず、しかも仮完成にすら程遠いほど改造を繰り返している状態なので、いつものように、過去1ヶ月の進展を簡単にご報告します。
まず、
スキーに再挑戦
しました。3月に失敗した原因が、足首固定器で靴が変形してスキーから外れた為なので(それでスキーの上に立てなかった)、今回は別のスキー靴とスキーを試してみました。幸い、靴がスキー板の上に乗ったので、介護に支えてもらったまま、歩行器から松葉杖に移動し、これをストック代わりにして、足を交互にずらす事が出来ました。たった 40~50m に30分もかかり、しかも途中でバランスが崩れて(足首をひねる方向にスキーが傾いた)、屈強な介護のおかげで何とか事なきを得たという程度のスキーですが、とにかく大いに満足しています。
松葉杖歩行
の方はコンビニ(往復 600m強)まで行けるようになっています。往復にそれぞれ40分ずつかかって(時速 0.5km)、コンビニというより大遠征ですが、とにかく簡単な買物が出来ました(買物したのは介護ですが)。このコンビニに歩行器で初めて行ったのが昨年10月ですから、ちょうど半年で1ステップ昇格したことになります。ということは、秋までに大型スーパーにも松葉杖で行けるようになれるかも知れません。
歩行器の方は、足への負担を増やすべく、肘もたれの高さを2cm 低くしました。たったの2cm でも大きな差で、下りが難しくなったのはもちろんの事、直前まで2時間半は歩けていたのが、低くした後は1時間も歩くと前屈みになって(低くなった)肘がもたれがちになり、それもやがてきつくなって、トータルで1時間半が限界です。ちなみに松葉杖の方も1時間半が歩行時間の上限で、それ以上は膝に無理が来るので歩きません。
松葉杖も丈を低くすると良い練習になると思いますが、時期尚早と思われるので、代わりに松葉杖で支えたまま体重計に乗る訓練をしています。体重計の厚みの分だけ、事実上松葉杖が低くなったと見なす訳です。この時の体重計の値が、即ちどれだけの脚力を使って立っているかという値で、現在 50kg ちょっと。これが脚力分。実際の体重が 65kg ですから、その差(15kg)が腕で支えている分になります。50kg 強という事は、現在の脚力訓練(これは静止で無く、足と腰を伸ばす力)の負荷の上限が 29kg であることを考えれば、あと半年もしたら(脚力訓練の負荷が 35kg を越したら)、脚力だけで体重を支える事が可能になりそうです。
静止といえば、プールの階段の1段目(深さ 90cm)でも
手放し静止
が出来るようになりました。プール以外でも、
床に膝で立つ
(膝を曲げて立つ)訓練で、体勢を整えた後に手を放しても10秒以上バランスがとれるようになっています。練習開始から1年以上かかってやっと出来た訳ですが、考えてみれば、腹這い/仰向けで
足を(膝から先を)持ち上げる
事が今年になって急に出来るようになったのだから、同じ筋肉(太股の表裏両方の脚力)を使う膝立ち静止が今になって急に出来るようになったのも不思議ではありません。とにかく、リハビリと言うのはつくづく根気(根性ではありません、念のため)だと思います。
支え無しへの1歩である、片手だけでのバランス訓練も平行棒や歩行器で始めています。先週のワルプルギス祭では、歩行器に立ったまま、、、、これは
写真
を御覧下さい。
片手静止が可能になったのは手首に少し筋肉が付いてきたからで、実際、雪融けに伴って半年振りに車椅子で坂道を登ったら、手首固定バンドなしでも問題なく登れました。但し、坂を登る為の肩の力は半年前から進展なく、訓練しなければ強くならないものだと言う事を痛感しました。もちろん、
腕や肩のウエイトトレーニング
は続けていて、昨夏の倍ぐらいの負荷(といっても腕力 2kg、肩力 3kg しかありませんが)まで可能になっていますが、車椅子を漕ぐ筋肉は少し違うようで、その訓練をやっていなかった(歩行訓練が優先だった)ので停滞しているようです。もっとも、もはや車椅子漕ぎは私の重点項目から外れてしまっているので、この夏も、車椅子を漕ぐ力は余り伸びないでしょう。
腕の次は懸案の指ですが、拳骨を握る訓練で、握力のある介護が力を込めてくれれば、
きちんとした拳骨
(掌に空洞が残らない)が出来るようになっています。この分だと、あと数ヶ月もすれば、自力(両手を使ってという意味ですが)でも拳骨が握れるようになるのではないでしょうか。指の柔軟リハビリは、リハビリの方法自体を誰も知らなかった為、退院後になってやっと模索が始まったレベルですが、これも結局は根気なのでしょう。
脚力、腕力ともかなり強くなったので、生活の方も若干の変化があって、食事の後に食器類を食卓から台所に持って行けるようになりました。他に、トイレに行く際に、今までトイレ用椅子を使っていたのを止めて、直接便器(手すり無し)に座るようになりました。便器が低いので、今までは室内用の
電動昇降型歩行器
を使ってすら昇降が困難だったのですが、それがやっと可能になった為です。
仕事の方は、今月から正式に75%復帰となりました。まあ、今までも事実上75%働いていて、それが正式になったというだけの事ですが、今までそうしなかったのは、ウーミオ大学病院への再入院を待っていたからです。でも私のように緊急度の低い患者は後回しになり(神経リハビリ科は4つしかベッドが無い)、既に半年以上も待たされて、この先も何時になるか分からない上、5月は来年度の予算の申請の季節で、その申請書に 50% 復帰と書くより 75% 復帰と書いた方が良いに決まっているから、主治医と相談して、病休を 50% から 25% に減らして貰いました。ただ、75% 復帰といっても、そのうちの半分以上は自宅でパソコンと格闘していますから、研究所に行くのは週に3〜4回、しかも半日だけです。
で、残りの 25% の分の病休保障(国が出す)ですが、今までの病休給与補填(病休分給与の 80% を国が出す)から、病休年金(給与と殆ど無関係の年金)に切り替わります。これは、病気が長い(あるいは一生)の人間の保障を、現在の仕事の給与(=まあ、高いです)を基準にする代わりに、もっと病人全体で平等な値にしようという訳で、要するにちょっと減る訳ですが、私の場合は正式な仕事復帰で、あまり関係ありません。
仕事時間で無く仕事の内容の方も良い事があります。病気後に始めた本格的仕事の論文が、数日前に受理されました。ハーフタイムとはいえ、昨年の6月から今年の4月まで10ヶ月以上かかった大きな解析作業の成果の1つで、考えてみれば、これだけ労力のいるデータ解析(僕の経験を持ってすら、10ヶ月もかかる内容)は僕の研究人生でも殆どありません。病気のお陰で出来た解析なのかも知れません。
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最後に久々にオーロラです。毎晩の動画から、
1月〜4月(99日)の統計
を出しました。曇り、または殆ど曇りの夜が結構あったにも関わらず、3日に2日の割で見えているのはなかなかだと思います。
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