Nice再び(II)

まずやらねばならないのは航空券の手配だ。旅行会社に電話する。今回はキルナの会社に依頼してみる。ニースへの旅程を伝えて、それ以降はメールでのやりとり、精算はIRFまかせなのでよくわからない。予稿を投稿したときに一番安いホテルも既に予約してあるので、その他問題は全くなし。

空港タクシーの予約を忘れていたので前日に電話する。乗合バスは125クローネ。8:45のフライトに7:55に迎えに行くということだ。途中、誰を拾うのかと思えばスタッスとグレゴリーをひろい、空港へ。実は出発前日の深夜に雪が降っていて、一面銀世界。最近降ってなかったのでキルナもようやく春か、と思ったらこれである。

ストックホルムまでは2時間弱。到着後は、例によって6時間待ち。ボーッと待つのも何なので、ストックホルムに小旅行することにした。ストックホルムまで電車で20分程度だそうだ。15分おきに出ているので、それほど時間にシビアに反応しなくてもすみそうだ。チケットは6時間往復チケットというものが存在し、これを使うと250クローネで6時間以内なら往復できるようだ。普通に行くと350クローネぐらいになってしまうし、バスだと45分かかるのでパス。結局6時間往復チケットを購入する。

まあ6時間待ちといっても余裕を見て空港に戻ってこないといけないので、実質ストックホルムで使える時間は3時間がせいぜいである。ストックホルムの駅に着いて観光案内所でパンフを手に入れ、「歴史博物館」にするか「アクアリウム」にするかを迷った挙句、アクアリウムに向かう。

ストックホルムの街はキルナに比べて明るい。数時間前のキルナの雪が信じられないぐらい明るい。アクアリウムまでは歩いて約30分。意外と小さく、中で2時間ぐらい見られるかと期待していったのだが約1時間が精一杯。歴史博物館まで回る時間はなさそうだったのでその後、本屋で時間を潰すことにして、チューリッヒの観光本を購入した。しかしこれが高かった。「地球の歩き方」より装丁はしっかりしているが、それが約4000円するのは痛かった。

本屋から出て駅に向かう。2時ごろの電車に乗り、2時半ごろに空港に入れば4時過ぎの搭乗に余裕を持って間に合うという算段だ。そういう算段だった。しかし、

道に迷ってしまった

地図を持たずに、正確には観光案内所の絵地図(道路名が入っていない!)だけしか持たずに歩くほどにはまだストックホルム慣れしていない。不覚だ。結局大きなバス停で冷静に地図を見ると、かなり離れた(2キロ程)ところまで歩いて来てしまっていた。オーバーウォーク、まじ不覚である。とはいえ2時半すぎの電車に乗ることができ、3時ごろには空港に戻っていたので事無きを得たのだが。

次のフライトはチューリッヒ行きである。チューリッヒ、言わずとしれた「ハロー、スーイス」の街である。実は、フタアナはストックホルムから出発する前に「出国手続き」が必要であることに気付き、そして驚いた。「当然ではないか、外国(フランス)に行くのだから」という反論は正しくない。西欧の殆どの国は国境というものがあって無いようなものだ。シェンゲン条約というのがあり、ほとんどノーチェックでスルーできる。(なお、EU内だから大丈夫と勘違いしている人が多いのだが、微妙に違うようだ。) 例えば日本人なら、スウェーデンに向かう場合、フランス経由で入る場合、フランスで入国審査を受けてスウェーデンでは入国手続きは必要ない。同様に日本に帰るときも、スウェーデンでの出国審査はなく、フランスで出国という形になるのだ。そして、スイスはシェンゲン外であったということである。

まあ、別に不法入国しているわけではないので堂々と出国手続きを踏む。ただ、スウェーデンビザの延長申請中なので、その旨記した書類を出さないとめんどくさいことになる。チューリッヒまでは3時間前後といったところか。チューリッヒでは乗り換えだけだったので審査はなし。さらに乗り換え後にフランス入国だが、ここでは入国審査があり、入国カードも出さないといけなかった。かなり久しぶりに入国カードを書いた。

ニースでまずキャッシュディスペンサーからユーロを下ろし、タクシーに乗り込む。シティバンク万歳である。もう夜も遅いのですぐさまホテルに向かう。EGUの斡旋の最も安い物件である。ヨーロッパは特に1人だとホテルが高くて困る。31ユーロの激安ホテルはテレビもなく、共同トイレだが、まあ気にはすまい。貴重品は持ち歩こうと決心し、厳重に戸締りし、熟睡する。長旅の疲れはあるが時差がないだけ体にとってはマシと考えるべきだろう。