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リハビリ記録その192

2018-11-4
山内正敏

 スウェーデン気象庁によると過去で最も「温度の高い」10月だったそうです。もっとも温度の暖かさはほとんど相関がなく、湿気の高い寒風が強くで、とても外を歩ける天候ではありませんでした。先週末からやっと「雪化粧+無風」で体感的には暖かくなっています。

 発病から17年となりました。私が発病した時に生まれた子供が今は高校2年生というわけです。
 さて、ここ一年も老化を上回る回復があります。以下、箇条書きにすると
 手指では
(1)小さなドライバーを使ってのボタン電池の入れ替えに成功
(2)自力で洗濯
(3)尿袋を自力で交換(清浄は出来ない)
(4)ipad用の小さくて硬いケーブルの脱着(コンセント用のプラグはまだ無理)
 足腰の方は
(1)足首固定器を外し歩行器だけでトレイルを歩いたり暴風しのいだりする。好条件だと舗装道で最長11km以上。
(2)日本便の機内のトイレを使う
(3)JR中央線を3駅立ったまま乗る
(4)歩行器で自力でアパートの建物から自室まで移動(介護が場所を間違えて不在だった)
(5)松葉杖訓練で足首固定器のバンドのほうを外して、松葉杖も短くして、室内屋外ともに4キロ以上を歩く
(6)ウイーンを現地介護で済ませ、空港では自力で荷物を荷物室からタクシー乗り場まで運ぶ
(7)身障者トイレの無いホテル(唯一部屋の手すり無し低座高トイレだけ歩行器の入る幅で、他は歩行器の入らない幅はなかった)に4泊し、最終日はブールのトイレで歩行器が半分しか入らない個室でなんとか座る。
(8)木道30mほどを前の人の肩につかまり、後ろから脇下を支えてもらって往復渡りきる。
 その他
(1)膀胱結石除去の膀胱鏡手術正味2時間に耐える
(2)黒海で水泳(30〜40分を3回)
(3)湖で連続40分以上ノンストップで泳ぐ
(4)室内用自転車で連続75分。
(5)松葉杖で(足首を完全に固定した場合)6kmを室内2時間4分、屋外2時間11分。
(6)ストックホルム日帰り(朝4時半〜深夜23時半)を介護無し(日本からの同行者ありだけど)
(7)尿袋が1500ml(絶版)から750mlに変更も10時間以上のトイレ無し旅行を無事終える と色々あり、満足いく一年となっています。もっとも以前から出来ているタイプの訓練(階段とか)で練習不足がそのまま記録の低下に繋がっているものもあり、やはり「維持」の難しさを痛感したりもします。

 先月の大きなイベントはウプサラ出張(2泊)で、今回はウプサラ市に現地介護を頼みました。今まではキルナでの介護でウプサラに移り住んでいた人を使っていたので、それに比べると事務手続きとかが面倒で、介護の名前も出発2日前まで確定しなかったのですが、大した問題もなく無事に出張を終えています。最終日はストックホルムの大使館(パスポートの更新と在留証明)に行き、そっちは以前の介護でストックホルムに就職した人に3時間ほど介護をお願いしました。在留証明はJRパス用(海外に連続10年以上住んでいる人なら買える)に発行6ヶ月以内の在留証明が必要というのは、現在の在外選挙と同じく不公平な規則で、事実上大使館・領事館の近くに住んでいる人しか使えないことを意味します。始めから買えないならそれで良いのですが、買える買えない、 投票できる出来ない の不公平を生むのは気持ちのよいものではありません。
 ウプサラからストックホルムまでは鉄道を使ったのですが、当初の予定では介護無しだったのですが、運良く同行者がおり、お陰で、事故でのキャンセルや大幅遅れになんとか対応できて大使館の時間に余裕で間に合いました。旅行中の交通機関の乱れを考慮した介護体制とスケジュールを組むのはやはり色々面倒です。

 例によっての無駄話です。
 スウェーデンでは8週間前に総選挙があり、移民排斥のスウェーデン民主党が2割近く議席をとり、かつ中道左派と中道右派がほぼ同数だったために未だに首相が決まらず、先に来年度予算(11月15日が締め切りで2案出そうな情勢)の審議が始まる可能性があります。そして選ばれた予算を出した方のブロックが首相を出すかも知れないとかいう噂すらあります。移民排斥党が単純に右派を選ばないのは、もちろん、右派の半分以上がスウェーデン民主党に奇忌避感を抱いているのが最大の理由ですが、他に移民排斥党の地方党員が(スウェーデン人の)福祉削減に反対して点もあります。彼らは減税・高福祉(を移民に対する住宅保証などの初期投資)を削ることで行なうという(10年後を無視した)議論を広げており、減税減福祉(右派)と増税増福祉(左派)のどちらにも組しないからです。欧州の移民排斥にはそういう面が少なからずあります。日本や米国のような「移民=破格に安い労働力」という国から見ると、そのあたりは分かりにくいかも知れません。

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