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リハビリ記録その165

2016-7-31
山内正敏

 上旬も下旬も雨の多い7月で、8月上旬は雨天が多い予報ですが、それでも中旬は夏らしい天気となり、気温も全般的に高く、昨年よりは遥かにマシな夏となっています。ともあれ、欧州特有の長い休暇なので、例年通り頭を空っぽにしてリハビリに専念しています。

 例年、7月〜8月の休暇シーズンは8km以上の長距離歩行を数多くこなすのですが、今夏は代わりに松葉杖の訓練や足首に何も付けずに歩く訓練に重点を置いています。
 まず松葉杖ですが、今年は3km半以上(1時間半以上)の歩行を何度か繰り返して、一番長い距離で約6kmを2時間17分で歩いています。これは昨年の記録(4.5km地点を1時間51分通過、最終4.7km)を11分速く通過した上で、更に1キロ半歩いたもので、ラップタイムを見ると、スタミナが続いている(ラスト700mだけが異常に遅い)だけでなく、コンスタントに速くなっています。好タイムに繋がっている理由の一つに、歩幅でなくピッチを維持するように気をつけて歩いていることがあると思います(なのでずっと歩数を数えながら、1分毎の歩数を算出して歩いている)。もっとも、以前から頻繁に練習している2km半コースでは昨年のベスト(60分)を1分弱しか更新できず、ベストのテンポ自体はあまり変わっていません(病院廊下を往復する訓練から予想はされていた)。
 一方、足首に何もつけない歩行訓練では歩行器で4km以上を何度か歩いている他、雨天時の病院での訓練でも平行棒訓練を行なっていて、急がない限りかなり歩けるようになっています。しかし、未だに足先を持ち上げる筋肉や神経を未だに全く感じないので、砂利道は無理だし、距離が長くなると松葉杖と同じ速度しか出ません。太腿の持ち上げが良くなった効果だけかもしれません。でも、リハビリは続けることに意味があるので、気長にやっていこうと思います。
 足首固定器を使った普通の歩行器訓練では、400mトラックでのタイムトライアルや平坦道などの1-2kmの短い距離のタイムトライアルこそ非常に悪いタイムしか出ていません。ピッチがどんなに頑張っても113歩/分しか出せず(昨年までは毎年115歩/分が出せて、コースによっては1196歩/10分を出している)、それが低調なタイムに繋がっているようです。
 それでも今日は坂道11kmコース(何年も歩いている道なので十分な統計が取れている)で2年ぶりに記録を更新しています。ストライド(=脚力=リハビリの成果)が未だに伸びているお陰で、ピッチを意識して維持すればまだ速くなる可能性はあるようです。
 それにしても老化とピッチの関係はきちんと歩数を数えていなければ分からないところでした。歩行器で体重をかなり支えているために万歩計が歩数を刻めないので、頭の中で数千歩レベルの数えなければならず、一ヶ所でもカウントが途切れると(例えば介護が話しかけたりしてきた場合)カウントが止まります。そんな面倒な歩数カウントですが、5年以上続けた価値はあるようです。
 ちなみにピッチから老化が始まるのは、神経伝搬速度/反応速度が遅くなる為だろうと思います。私の病気は神経伝搬信号の強度が弱まる(消失する)ものなので、速度には関係ない筈ですが、神経速度の遅化が他の人より早くなる可能性もあるので、記録はできるだけ残そうと思います。
 歩行器訓練では他にバランスを測るために土道を歩く訓練も必要ですが、これは例年一夏に2〜3回程度です。今年は昨日、ニカロクタという山歩きコースの玄関から砂利道を片道2km強を往復2時間かけて歩きました。 先端部 はかなりの悪路を時速2キロ近くで歩いていて、バランスが確かに良くなったのを実感しました。それを1時間以上維持できるようになったのは、長距離松葉杖訓練のお陰だと思います。

 最後に無駄話です。
 夏のトレーニングといえば汗をかいたあとのビールですが、最近スーパーで冷凍枝豆(皮付き)を発見しました。味は新鮮な枝豆を茹でるのに比べると落ちますが、ビールの友であることには変わりなく、有り難く賞味しています。どれにしても、まさかこんな時代が来るなんて、25年前のキルナからは想像がつきません。
 さて、ビールの方ですが、私がよく飲んでいるのは3.5%の、日本なら発泡酒と呼ばれるものです。なぜ3.5%かというと、これは一般の店で売ることのできる上限で、それ以上のアルコールを含む酒類は国営(専売)酒屋でしか買えないからです。この専売酒屋というのが(アル中を増やさないという政策のもと)非常に不便で、平日18時閉店(木曜だけ19時で、あとキルナは特例として土曜の10〜14時に開く)に加え、キルナ市の場合だと、四国の面積にたった1件しかありません。要するに3.5%を超える種類は簡単には買えないシステムになっています。
 しかし、美味しいビールを気ままに飲みたいという需要は常に存在します。なので、ビール会社は3.5%でいかに美味しいビールを造るかにしのぎを削っており、特にEUに加わってからはチェコなどのビールが参入して、一気に美味しくなりました。私のように水分を多く必要とする人間には薄いビールは有り難く、特に運動のあとなどは3.5%x500mlで十分に気持よく昼寝ができます。それに慣れているものだから、パーティとかで度数の高いビールがでると「量を飲めない(酔っぱらうから)」という不満を感じる程です。そういえば、日本酒も税金対策から(原酒20%を薄めた)14%前後で美味しくなるように各社がしのぎを削った歴史があるらしいですが、同じことがスウェーデンではビールで起こっていると言えるのでしょう。

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