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リハビリ記録その137

2014-4-6
山内正敏

 外に出るには最悪の気候は3月も続き、凍結と強風の組み合わせで、バス停を降りたから道路の反対側に渡るだけの30mに10分近く、そこから店までの300mほどに15分かかるような酷い日があったりしています。特に週末は、5週間続けてスキーが出来ない天気(強風か雪)という最悪の晩冬となりました。加えて3月第2週末に39度の熱を出し、大人の風邪が完治するのに3週間はかかるという通例に漏れず、ここ数日でやっと体調が戻ってきた感じです。

 だからと言って記録更新が途絶えないのも不思議な話で、プールは一度だけ水量が普段より数センチ高かったお陰で階段4段目(水深50センチの所が52〜53センチ)でしゃがんだ状態から手すり等なしで立ち上がる訓練が、今まで10回中最大2〜3回しか成功しなかったのが、いきなり9回成功して、ほんの数センチの水深の差を実感したり、3月に数度しかなかった平日のスキー日和の午後に(結局1回しか時間がとれなかったけど)、400m強のコース3周を50分未満で滑って去年の記録を更新したり、室内用自転車でベストを3度も更新したりして、数字だけでは他の月に全く遜色ありません。
 あと、ベストでは無いにせよ満足出来る訓練も出来ていて、悪天候の昨日は病院廊下10往復(3.3km)を67分と、2月の絶好調時に続いて2番目に速いペースで歩き(やっと風邪から回復した証拠)、好天の今日は8ヶ月ぶりに10キロ歩いています(6キロ以上の歩行も3ヶ月ぶり)。さすがに練習の多い夏場ほどスピードもスタミナもありませんが、途中、氷とかでゆっくりになった部分を考えても2時間強は満足出来るものです。但し運動靴でなく冬用の靴を使ったため、一度の歩行で魚の目が悪化してしまい、また削らないといけません。冬の間、一度も出来なかった事を考えると、逆に今冬がどれだけ歩けなかったか窺えるというものです。

 仕事の方ですが、昨年、暫定的に1年間だけ病休を1/8に減らした(それまでは1/4)のを、とりあえず更にもう1年延長しました。ちなみに今でも私が『無理』と判断したら1/4に戻せるところが融通が効いていて安心出来ます。研究だけなら週30時間ぐらいのほうがかえって発想が斬新になって良いのですが、いかに身障者でも、50歳代になると雑務が増えるので、少し勤務時間(日本と違って、これ以上働いてはいけないという時間)を増やさないと十分な研究時間が取れないというのがあります。
 まあ、それでも日本に比べれば、雑務なんて恐らく10分の1ぐらいしかないだろうし(なぜ日本の雑務や会議があんなに多いのか理解に苦しむ)、スウェーデンでは誰もが60歳近くなると雑務を減らす傾向があるので(研究所の前所長も59歳で普通の教授に戻って幸せになった)、忙しいのはあと5年程度で終わると踏んでいます。ちなみに10日ほど前に所長(現在、部門長が空席で所長が兼任している)と定例面談(勘違いでなければ法律で毎年行なう事が決まっている)をしたところ、「仕事よりも体を大切にしろ」と言われたぐらいで、その意味ではリハビリのしやすい環境です。だから、例年3月後半から5月半ばまで、学会(今年は世話人1件とポスター5件)と予算申請が目白押しで余裕がない時期なのですが、それでもリハビリの時間は十分に取れています。
 仕事と言えば、以前稼動していたアビスコ(キルナの北西100キロ)のオーロラカメラ(ネットトラブル等で止まっていた)が数年ぶりにやっと再稼動しました。今回は広島市立大学の方に新システムを設置してもらいました。ネットで 最新分 と、ちょっと重いのを我慢すれば 1晩分(毎日定刻に全部消す)が公開されています。 あと2週間ほどで夜がなくなって今シーズンのオーロラは終わりますが、来シーズンは冒頭から、 キルナのオーロラカメラ 共々、リアルタイムで100キロ離れたオーロラ(高さ100キロなのでほとんど同じな筈だけど時々結構異なる)を見られるようになります。

 最後に例によって無駄話です。
 1ヶ月ほど前、朝日デジタルのWEBRONZAに科学論文の『 Open AccessとCreative Commonsの違い 』を書いた際に、Open Accessを謳っている癖に著作権移転を要求している不条理な著名雑誌が英米に多いことに言及しましたが、最新の情報によると、スウェーデンの科学研究費を出す母体(日本の学術振興会にあたる)は2017年度予算分から、Open Accessどころか、Creative Commonsの一番制限の少ないタイプ(CC-BY:クレジットのみで図表や本文の再使用自由)を 成果論文に要求する そうです。 この方針によれば、国連文書(著作権が煩わしい)は尽く、税金の不正使用になってしまいます。チェルノブイリ翻訳で著作権のみに異常な苦労をした私には有り難い方針です。
 ちなみに、欧州の多くの国で、数年前から成果論文をOpen Accessで出す事が科学研究費の給付条件となっております(予算を貰えなかったらその限りでないですが)。

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