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リハビリ記録その124

2013-3-17
山内正敏

 1月2月よりも寒い3月で、週末のスキーを2度も見合わせたほどです。ただし太陽は高いので、風がない限りは外での活動に問題はありません。

 そんなわけでスキーはまだ2回しか行っていませんが(昨年同時期は6回も滑っていた)、タイム、距離共に昨年よりも大きく更新していて、400m陸上トラックに設けられたスキー用の溝(一周350m程度)5周を、昨年の4周と同じタイム(87分)で歩いています。安定度が高まっただけでなく、それによって、スティックをバランスだけでなく前進の為にも少し使うようになったお陰ですが、その為に、先週は左腕が3日間ほど筋肉痛になりました。もっとも、スピード自体は普通に松葉杖で歩く場合の半分しか出ていないし、坂の下りがまったくダメなので、市民レースに出るにまではあと数年かかりそうです。一番の問題は足首で、足首を完全に覆うような最新のスキー靴(ダウンヒルスキーに近い)を使う必要がありそうですが、バインダーの問題とか色々あって、全セットの更新になるので、まだ見合わせている所です。
 膝の筋肉が付きつつある事は松葉杖訓練でも分かります。距離を歩く訓練(往復320mの廊下を9〜10往復)での所要時間が2ヶ月で更に2分ほど縮んでいるし、両杖を上げて事実上杖なしでの歩行でのミスもコンスタントに減っていて(3回のうちの2回は300歩を最大1回のミスですませる)、この分だと、両杖を上げての距離訓練も今年中に始められるようになるかも知れません。
 松葉杖以外では、プールでの訓練で、片足を水深50cm、片足を水深35cmに置いて、立った状態から体を曲げて階段に手をつける訓練を始めています(説明が難しいので、秋にビデオをとる時に確認して下さい)。もっとも、プール訓練については問題もあって、病院の縮小(県庁所在地のルーリオが予算を全部食ってしまうから、その煽りで、県に一番の法人税を払っているキルナの病院が縮小している)に伴って、プール訓練の時間帯が、訓練し難い時間帯になりそうで、現在、私に関して特例を作る(といいうのも、他の人とプールの使い分けが出来るような訓練ししているから)という方向で話をすすめています。

 仕事の方は、(先月書いたように)今までの4分の1病休から8分の1病休に変更して、今月から病休手当を返上する事になりました。私は研究職なので、8分の1病休というのは、実質的にはフルタイム働いている事になるのですが、病休という名前を確保しておくほうが色々な意味で正しいし、8分の7の給料で独身の人間が困る事はないので、そういう形にしています。
 病休が8分の1に減ったからという訳ではありませんが、仕事が予想外に忙しくて、1〜3月のどこかで日本帰省をする予定だったのが延期になりました。一番の原因は4月上旬の欧州地球科学会(EGU)総会の福島セッション(チェルノブイリ関係者も集める)の世話人の仕事で、宇宙関係の自分の専門(病気になる前は毎年世話人をやっていた)に比べると遥かに大変な仕事量でした。身障者の私がするべき仕事なのか疑問に感じないでもありませんが、ヨーロッパに住む日本人で放射能による環境への影響を専門的に調べている人間が他にいないので、とりあえず今年は私が世話人になっています。
 福島問題と言えば、1年半前にボランティアで翻訳した国連チャルノブブイリ・フォーラムの2006年報告書が、ようやく(本当にようやく)学術会議から公表される見通しがたちました。最後のレイアウトが終わって、現在、学術会議の上層部の承認待ちで、最速で来週末の公開になります。身障者にも出来るボランティアという意味では、翻訳は良い経験でしたが、二度と国連文書には関わりたくないというのが今回の感想です。
 ちなみに翻訳版(283ページ)は非営利目的である限り、自由に印刷配布しても構いません。そこで、できれば数百部作って、それを中学以上の図書館とか農協・漁協・森林組合とかに無料配布しようと思います。なので、約300ページのカラー図入りのPDFを安くで印刷製本してくれる所を捜しております。もちろん実際の配布やカンパや印刷所との連絡をして下さる人(私が過労にならずに済むように肩代わりしてくれる人)も捜しております。御存知でしたら一報頂けると助かります。

 最後に無駄話です。
 先週、スウェーデンの宇宙関係者の情報交換の為の年会議が久しぶりにキルナであって、その講演のなかで興味を引いたものに北極海航路の話(リモートセンシングがらみ)がありました。100年後と言われていた北極海航路の可能性が、地球温暖化の「お陰」で今や10年後に可能になりそうな状況だそうで、その準備として氷の動きを衛星から見る話や、船からオイルが漏れるような事故が起こった時のオイルの行き先を調べる環境アセスメントの話がありました。北極海航路が現実的な話になりつつある事を感じます。特に日本からヨーロッパとなると、今までの喜望峰回りの半分の行程で済み、キルナの鉄鉱石の輸出(中国向け)で日本にもおこぼれが来るようになるかも知れません。

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 3月15日の臨時メール
 先週のrehabili-124でお知らせした国連チェルノブイリ・フォーラム報告書の翻訳が、今朝、正式に学術会議から公開されました。原典が専門家向けの文章だったので、出来るだけ一般読者にも分かるように翻訳しました。特に3章(環境汚染)と4章(対策)は大学生、理系高校生を読者として念頭に翻訳していますので、関係者だけでなく、興味のある方にもお知らせ頂けると有り難いです。
学術会議 のサイトの中の「第3部会の記録」 のところに件の翻訳が置いてあります。