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リハビリ記録その30

2005-5-06 山内正敏

 5月に入ってから毎日の雪で、折角アスファルトの見えた路面に20センチ近く積もっています。
 が、それを除けば、 新しい(低い)歩行器 で快調に歩いています。先日なぞは2時間半かけて4キロ半ほど歩いたら、寒さの余り介護の方が音をあげて、残り1キロ半はバスで帰りました。時速2キロは(摂氏でプラスの気温なら)私には身体の暖まる速さですが、普通の人には身体の冷える遅さだからです。そこで、暖かい散歩日和を待っていますが、冒頭の通り、なかなか難しく、ずっと上限1時間半(スーパーとかに入るから歩く時間は2時間)が続いていますが、見方を変えれば、それだけ毎日歩けば訓練としては十分とは言えます。
 歩行器ばかり使って松葉杖がなおざりになっていますが、低い歩行器のお陰で腰や尻の安定度が高まり、結果的に松葉杖もより速く歩けるようになって、今では時速1キロ近くが可能です。腰の安定は毎朝の 床での訓練 にも現れ、尻の筋肉の向上のほうも、四つん這い(こっちは時々)で 片手片足でバランスを取る 事が短い時間ながらも出来るようになりました。あと、床が硬ければ足を抱え込んでその 反動で起き上がる 事も出来るようになっています。
 プール訓練の方は 階段3段目(水深65cm)での手放し立ち が最大で10秒ほど可能なほか、階段最上段の更に上の 水の外に片足を出す ところまで進みました。ここまで来ると問題は足首で、脛の筋肉を失っている為に 足首から先を持ち上げられず (水中なら浮力で勝手に足先がついてくる)、階段を実用的に使うのは当分無理な(= リフトのお世話 にならなければならない)ようです。あと、もちろん身体を支える手すりがそこで広がっているのも問題といえば問題ですが。
 手すりを使った普通の訓練では 手すり1本だけ での後退も出来るようになりました。この練習では、きちんと足首を固定するギブスを使用しています。これに限らず歩行訓練では常に足首を固定して来ましたが、それではいつまでも脛の筋肉(神経)を刺激しないので、ギブスを付けずに外を歩く訓練も肘歩行器(昔の歩行器)を使って始めました。
 指の方は親指がどうしようもないでのすが、それでも曲がりなりに軽いくて大きなもの(スポンジケーキの切れ端など)を 親指+人指し指で挟む 事が出来るようになっています。パソコンのタイプでも頑張れば2本の指で同時に押す事が少し出来るようになって、少しずつながらも確かに回復しています。
 以上、今回の報告では画像をリンクさせましたが、これは総べて ビデオ のひとコマです。発病からちょうど3年半立ったので記録の為に半年ぶりに撮影し、それを編集したついでにリハビリのページ(冒頭のアドレス)を更新しました。概要を見ていただければ、この半年でも結構進展があった事が分かると思います。
 進展は仕事にもあって、今年は(スウェーデンの)科学研究費に初めて申請してみました。私の所属するグループは研究所と宇宙審議会の両方から安定した予算を貰っているので、どのみち殆ど旅行の出来ない身を考えれば別に申請する必要は無かったのですが、衛星機器の担当(日本の火星探査機のぞみ)から降りたのに加えて、同僚たちが申請している(が大抵外れる)ので、リハビリの一環として出して見た訳です。まあ、米国と違って給料が保証されているヨーロッパでは、この手の申請は宝くじと大差なく、初申請でいきなり通るとは思えませんが、それでも真面目に(金を貰った時の)研究計画を考えていた訳で、やはりリハビリには違いません。副産物として論文(proceeding だけど)が一本書けたりもしています。

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 最後に例によって無駄話です。まずオーロラですが、シーズンの終了に伴い、記録を 更新 しました。1〜4月の『観光客の為の』オーロラ出現率が昨年と今年とで全然違うのが分かると思います。更新と言えば、あと、中国のデモがキルナのローカルニュースですら大々的に(背景解説入りで)報道されたのに触発されて、 真面目なエッセー も書いています。真面目な事を考えたら軽い事も考えないとバランスが取れないので、 こんなもの も書いてみました。暇を持て余している方はどうぞ。

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