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リハビリ記録その13

2003-12-06 山内正敏

 薄暗くて薄明るい12月がやってきました。極夜まで数日を残した今日の段階で日照1時間半、しかも太陽が地平線の上に完全に出る事はありませんでした。その一方で、オーロラと真珠雲とクリスマス装飾が闇を照らしています。特に昨日の真珠雲は12月上旬としては大規模で、早速ビデオに収めました。
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 松葉杖で歩く練習を始めてから2ヶ月半たちましたが、当初フラフラで2人掛かりで補助して貰ったのが、今はゆっくり前に進むだけなら補助なしでもバランスが取れるようになってます。今日はついにアパートの建物の玄関を一歩だけ外に出ました。ただし、それ以上は氷で松葉杖が滑るので、今の松葉杖のままでは行けません。また、前向き以外は若干ふらつくので、後ろ向き、横向き、回転等の練習は、体操療養師に支えてもらっています。あと、立ち上がる時と座る時ももちろん支えが必須で、現在松葉杖で立ち座りが出来るのは、かなり高くしたベッドの縁からです。それでも1ヶ月前に比べれば大きな進展で、それまでは、歩行器に立った状態で松葉杖を腕に括り付けて歩き出してました。
 と言う訳で、歩く為に必要な訓練は、今の段階では上体(=足腰)のバランスと、椅子から立ち上がる筋力(尻と上腿)の様です。当然、リハビリ訓練はそれに絞られます。例えば週2回のプールでは、春からやってきた段差の昇降や水泳、水中ランニングといった訓練に加えて、浅いところでの立ち座りや、やや深いところでの片足立ち、上体横そらし体操(なかなか出来ない)等をやっています。また、週2回リハビリ訓練では、 ボールに座って上半身を動かす訓練 と、 脚力のウエイト訓練 (現在の負荷は両足で 24kg)を秋以降やっており、その成果か、数日前からは室内用自転車で 手放し漕ぎ (もっとも、足はペダルに括り付けているけど)が出来るようになりました。ほんの3ヶ月前は松葉杖を使い、しかも介護に後ろから支えてもらっていた( 写真 )訳で、かなりの進歩です。
 それにしても、室内用自転車というのは色々な訓練が出来るもので、1年前に買った当初はここまで役立つものとは思っていませんでした。買ってから暫くは全く漕げなかったものの、足をバンドで固定し、かつ自転車を逆向きにすれば(順方向は無理だった)車椅子のまま漕げる事が分かり、以来全8段の各ギアを次第に制覇してきました。先ずは車椅子に座ったまま(=自転車を逆向きにして逆回りで)、12月に1段目、2月に2段目、5月に3段目、6月に4段目と段が進み、次にサドルに座っての普通の漕ぎかたを始めたのが5月、それからサドルの上でハンドルの代わりに松葉杖を使ってバランスを取りながら漕ぐようになったのが7月で、その際介護に体をずっと支えてもらっていたのを、9月には自力(松葉杖だけ)でバランスを取るようになり、その間、8月にはギアも6段目にまであげ、11月にはついに最も重い8段となり、更に今月早々、松葉杖を外しての手放し漕ぎが出来るようになった訳です。次の目標は足をペダルに括り付けているバンドを外しての自転車漕ぎといったところでしょうか。(進展の詳細は ここ を参考下さい。)
 各種の足腰訓練で最近分かったのですが、足をほとんど伸ばした状態(膝の角度<30度)での脚力は右足の方が強いのに、膝を曲げた状態(角度>60度)では左足の方が強い様です。左右の差が1割内外。手や腕の様にどんな状態でも利き手(左)の方が上という事はありません。もちろん病気の影響と言う事はあり得ますが、恐らく足には利き足というのは無くて軸足(私の場合右)と蹴り足/登り足(私の場合左)とに分かれるのではないしょうか? 健康な時には気付かなかった発見です。
 手の回復も若干あって、手首を固定する布ギブス無しでも平行棒歩きが出来るようになったほか、研究グループの懇親会で生まれて初めてアーチェリーを引いてみました。曲げられない指を反対の手を使って半分ぐらい曲げ、そこに弦を引っ掛けて、張力で指が戻ってしまう前に矢を放つ、というやり方で、5mの距離からなんとか2−3本だけ的に当てましたが、弓を引くのは10回が限度のようで、後は指の方が持ちませんでした。でも、とにかくアーチェリーが不可能では無かった事は望外の喜びです。

 仕事の方はオーロラ騒動(大オーロラが立続けに出た)の傍らに今秋2本目の論文を脱稿して、上々の回復です。一方、私も関係している火星探査機のぞみは御存じのように闘いまみれております。まあ、とにかく、これは新しいミッションには得てしてある事で(その点、同じものの再生産であるロケットと一緒にされても困りますが)、しかも火星ミッションとしては安いという事を考えれば(『みどり』と値段を比較して欲しい)、そういうミッションは3回に1回失敗するぐらいが普通であって(というか、そのくらいの覚悟で無いと意欲的ミッションとは言えないと思う)、その意味でたまたま貧乏くじに当ったものだ(まだ希望は残っていますが)と思っています。もちろん今の状態は私にとって不本意ですが、御心配には及びません。
 あと、22日には研究所の一般公開(open house)があって、それにも借り出されておりました。この一般公開は、時代の要請とかいう奴で一昨年に始まり、今回が2回目ですが、その第1回は病気になった直後だったので、私は参加していません。
 で、その当日、打ち上げパーティから帰ってみると、アパートのエレベーターが故障して部屋に戻れません。介護が修理会社と交渉したところ、人手不足(出払っていたらしい)で来れず、彼は30分程ぐるぐる慌てていましたが、私の方は眠さのあまりパニックにすらならず、半分眠りながらぼーっと考えるうちに、そう言えばタクシー会社と市の福祉部が何か契約していたなと思って、介護にタクシー会社へ電話して貰ったところ、僅か5分で階段屋(タクシーの運転手なんだけど)が2人やってきて、車椅子ごと運んでくれて無事部屋に戻れました。結局40分のロス。と言う訳で真っ先にタクシー会社に電話するのが正解のようです。またひとつ賢くなりました。ちなみに階段屋の費用は概ねキルナ市持ちで自己負担が 20kr(約300円)。これはタクシーで10キロ以内乗る場合と同じ値段で、まあ要するに全くのタダはかえって良くないという認識でこんな安価(比率で無く定額)になっています。
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 パーティーは自宅でも過去1ヶ月に3度やりました。1つはキルナに合宿に来て雪不足と闘っている全日本チーム(種目は秘密)をねぎらう為の夕食会。1つは研究グループの将来構想会議で、なんと中国との共同研究の戦略を練る会議を、『こんな重い議題をしらふでやってられるか』と言う訳で、私のところにプロジェクターだのスクリーンだの持込んで、中国の高級酒を飲みながらやったもの。つい昨日は肉饅を試作する夕べと称して、研究所の日本人+その連れ合いで饅頭を作っておりました。実はキルナ最大のスーパーで白インゲン+小豆+黒豆をつい1ヶ月前に発見して(東洋食品コーナーで無く健康食=豆コーナー)、もともとあんこの大好きな私はさっそく白アン黒アンを作った(介護に作って貰った)訳ですが、こうなったら饅頭を作りたい、いや、どうせ饅頭を作るなら豚饅も作りたい、と勝手に介護と相談して(介護も私の作りたがるものに興味が有る)、結局パーティーになってしまった訳です。で、肝心の出来上がりですが、懸案の皮は拍子抜けするほど簡単でした。しかも、もともとパンに向いてる小麦粉なので、簡単な癖に美味しく出来て、はじめ半信半疑だった参加者も舌鼓を打っておりました。さて、次は何にしよう…?

 最後にオーロラ情報です。先日獅子座(レオニード)流星雨の観測を目指してリアルタイムモニターを1分更新から6秒更新に変えたところ、たまたま11月20日の大磁気嵐にあたって、綺麗なビデオが出来ています。興味のある方は
http://titan.irf.se/misato/2003/11/aurora20031118:1300-2230.mpg
http://titan.irf.se/misato/2003/11/aurora20031120:2200-0600.mpg
を御覧下さい。このオーロラ映像は、一般公開でも早速使いました。
 オーロラと言えば、2年前に作ったオーロラビデオの DVD 版がようやく完成しました。DVD 版ではオーロラを2割程カットし(それでも1時間以上)、代わりに真珠雲も入れております。見出し操作が簡単な為、一般公開では大いに役立ちました。日本でも販売(千円)しているので、欲しい方は御連絡下さい。

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